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パーキンソン病脳神経内科

パーキンソン病のオフ時間とは?新薬タバパドンで症状改善できる?最新研究を沖縄県那覇市の脳神経内科専門医が解説 

はじめに

パーキンソン病の治療を続けていると、
「薬が効いて動きやすい時間」と
「効きにくくなって動きにくい時間」が
波のように現れることがあります。

この動きにくい時間は
「オフ時間」と呼ばれ、
患者さんにとって大きな負担になります。

例えば、朝起きたときに体が動かない、
外出中に急に歩きにくくなる、
手が動かず食事がしづらくなるなど、
日常生活に直接影響します。

こうしたオフ時間を減らすことは、
パーキンソン病治療において
とても重要な目標の一つです。

今回ご紹介するのは、
このオフ時間を改善する可能性がある
新しい薬「タバパドン」です。

最新の臨床試験で効果が示され、
今後の治療の選択肢として
注目されています。

【パーキンソン病 オフ時間の原因】

パーキンソン病では、
脳の中のドパミンという物質が減ることで、
体の動きが悪くなります。

このドパミンは、
体をスムーズに動かすために必要な
重要な役割を持っています。

治療の中心となる薬が
レボドパという薬です。

レボドパは脳内でドパミンに変わり、
症状を改善します。

しかし長く使っていると、
薬の効き目が一定でなくなり、
「効いている時間」と
「効かない時間」の差が
大きくなってしまいます。

これがオフ時間の主な原因です。

つまり、
薬が効いている時間を延ばし、
オフ時間を減らすことが
治療の大きな課題になります。

【新薬タバパドン 効果と特徴】

タバパドンは、
ドパミンの働きを直接助ける薬です。

特に「D1/D5受容体」という
ドパミンの受け皿に作用することで、
脳の動きをサポートします。

難しい言葉に聞こえますが、
簡単に言うと
「脳にドパミンがあるかのように
働きを助ける薬」と考えると
分かりやすいでしょう。

この薬は1日1回の内服で、
現在の治療に追加して使うことが
想定されています。

つまり、
レボドパをやめるのではなく、
足りない部分を補う薬です。

臨床試験では、
レボドパを使っているのに
症状の波がある患者さんを対象に
検討されました。

その結果、
タバパドンを使った人では
動きやすい時間が増えました。

具体的には、
1日あたり約1時間以上、
良い状態の時間が増えたと
報告されています。

また、
動きにくいオフ時間は
約1時間程度減少しました。

この「1時間」は、
単なる数字ではありません。

外出ができるようになる、
家事がしやすくなる、
家族と過ごす時間が楽になるなど、
生活の質に大きく関わります。

パーキンソン病は
日常生活との関わりが深い病気のため、
この改善は非常に重要です。

【副作用と安全性 注意点】

新しい薬で気になるのが副作用です。

タバパドンでは、
吐き気、めまい、頭痛、
立ちくらみなどが報告されています。

また、
ジスキネジアという
体が勝手に動いてしまう症状も
みられることがあります。

特に注意したいのが
起立性低血圧です。

これは立ち上がったときに
血圧が下がってふらつく状態で、
転倒の原因になります。

高齢の方では
骨折につながる可能性もあるため、
慎重な対応が必要です。

一方で、
従来の薬で問題になりやすい
強い眠気や衝動的な行動については、
大きな増加はみられませんでした。

ただし、
今回の研究は約6か月間のため、
長期間使った場合の安全性は
今後の課題です。

また、
すべての患者さんに
同じように効果が出るわけではありません。

年齢、生活環境、認知機能、
転倒のリスクなどを考慮しながら、
個別に治療を選ぶことが大切です。

「最近、薬の効きが不安定」
「動ける時間と動けない時間の差が大きい」
と感じている方は、
主治医に相談することをおすすめします。

まとめ

タバパドンは、
パーキンソン病のオフ時間を減らす
新しい治療の選択肢です。

レボドパ治療に追加することで、
動きやすい時間を延ばし、
日常生活の質の改善が期待されます。

副作用には注意が必要ですが、
今後の治療を広げる可能性を持つ
重要な薬の一つです。

これからの研究や実際の診療での
使用経験が蓄積されることで、
さらに位置づけが明確になると考えられます。

当院からのお知らせ

パーキンソン病で
「薬の効きが不安定」
「動けない時間がつらい」
とお悩みの方へ。

那覇市・浦添市・沖縄県でお困りの方は
シーサー通り内科リハビリクリニック
ぜひご相談ください。

当院では、
脳神経内科専門医が診療を行い、
リハビリスタッフと連携しながら
生活の質まで考えた治療を行っています。

薬だけでなく、
リハビリや生活指導も含めて
総合的にサポートいたします。

引用

Fernandez HH, Isaacson SH, Hauser RA, et al.
Tavapadon as Adjunctive Treatment for Parkinson Disease:
The TEMPO-3 Randomized Clinical Trial.
JAMA Neurology. 2026.