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見た目だけではわからない肥満の危険性|代謝的に健康な肥満とは 沖縄県那覇市の内科専門医が解説
代謝的に健康な肥満とは?
太っていても健康といえるのかをやさしく解説
「体重は多いけれど、血糖値や血圧は正常です」
そんな方は意外に少なくありません。
そのため、
「太っていても検査がよければ大丈夫では?」
と思う方もいるでしょう。
近年、このような状態は
代謝的に健康な肥満と呼ばれています。
少し難しい言葉ですが、簡単にいえば、
肥満はあるものの、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの
はっきりした異常が目立たない状態のことです。
一見すると健康そうに思えますが、
本当に安心してよいのかは、
今も大きな研究テーマになっています。
今回の総説では、
代謝的に健康な肥満の意味、
なぜ同じ肥満でも差が出るのか、
診療でどう考えるべきかが整理されています。
【代謝的に健康な肥満とは何か】
肥満というと、
糖尿病や高血圧、脂質異常症、脂肪肝などを
思い浮かべる方が多いと思います。
実際、肥満はこれらの病気の重要な原因です。
ただし、肥満があっても、
血液検査や血圧に大きな異常がなく、
代謝の面では比較的落ち着いている人がいます。
これが代謝的に健康な肥満です。
ここで大切なのは、
この言葉の定義がひとつではないことです。
研究によって、
血圧をどこまで正常とみなすか、
脂質異常をどこまで含めるか、
インスリン抵抗性を考慮するかなどが異なります。
インスリン抵抗性とは、
血糖値を下げるホルモンであるインスリンが
効きにくくなる状態です。
この定義の違いがあるため、
「代謝的に健康な肥満は安全」とする報告もあれば、
「やはりリスクがある」とする報告もあり、
議論が続いてきました。
つまり、この言葉は便利ではありますが、
単純に「健康な肥満」と言い切れる
わけではないのです。
【肥満でも本当に健康といえるのか】
では、代謝的に健康な肥満の人は、
本当に将来の病気が少ないのでしょうか。
この総説では、
一般的によく使われる定義でみると、
標準体重で代謝的に健康な人に比べて、
心血管病のリスクはやや高いとされています。
心血管病とは、
心筋梗塞、狭心症、脳卒中など、
心臓や血管の病気のことです。
つまり、
「今の健診結果がよいから完全に安心」
とは言えない可能性があります。
また、代謝的に健康な肥満は、
ずっと同じ状態が続くとは限りません。
年齢を重ねること、
内臓脂肪が増えること、
筋肉量が落ちること、
運動不足や睡眠不足が続くことなどによって、
将来的に糖尿病や高血圧へ移行する人もいます。
この点はとても重要です。
代謝的に健康な肥満は、
「今この時点では大きな異常が少ない」
という意味にすぎず、
将来まで安全を保証する言葉ではありません。
そのため、
安心材料として使うより、
今はまだ大きく崩れていない段階と
考えるほうが現実的です。
【なぜ同じ肥満でも差が出るのか】
同じBMIでも、
健康な人とそうでない人がいるのはなぜでしょうか。
大きな違いのひとつが、
脂肪のつき方です。
特に重要なのが、
お腹の奥につく内臓脂肪です。
内臓脂肪が多いと、
炎症が起こりやすくなり、
インスリン抵抗性が進みやすくなります。
その結果、
血糖値、血圧、中性脂肪などが悪化しやすくなります。
一方で、皮下脂肪が中心で、
筋肉量がある程度保たれ、
脂肪組織の働きが比較的よい人では、
代謝異常が出にくいことがあります。
また、肝臓に脂肪がたまりにくいかどうかも
大事なポイントです。
脂肪肝が進むと、
糖尿病や動脈硬化のリスクが高まりやすくなります。
つまり、体重の数字だけではなく、
どこに脂肪がついているか、
筋肉が保たれているか、
肝臓や血液検査に変化がないかを
総合的にみる必要があります。
見た目がそれほど太っていなくても、
内臓脂肪が多く、代謝的には不健康な人もいます。
逆に、BMIだけで「肥満」とされても、
内臓脂肪が少なく、比較的安定している人もいます。
だからこそ、
見た目や体重だけで判断しないことが大切です。
まとめ
代謝的に健康な肥満とは、
肥満があっても、血糖、血圧、脂質などの異常が
目立たない状態を指します。
ただし、それは
「完全に安全」という意味ではありません。
一般的な定義では、
標準体重で健康な人より
心血管病のリスクはやや高い可能性があります。
また、その状態は固定ではなく、
年齢や生活習慣によって
将来的に代謝異常へ移行することもあります。
「検査が今はよいから安心」ではなく、
体重、腹囲、内臓脂肪、血糖、血圧、脂質、脂肪肝を
定期的に確認していくことが大切です。
当院からのお知らせ
那覇市・浦添市・沖縄県で、肥満、メタボリックシンドローム、
脂肪肝、血糖値異常、生活習慣病でお困りの方は、
シーサー通り内科リハビリクリニックへご相談ください。
当院では、体重だけでなく、
血糖、血圧、脂質、腹囲、脂肪肝などを
総合的に評価しています。
さらに当院では、CT検査を用いて内臓脂肪を計算し、
見た目では分かりにくい脂肪の状態を可視化することが可能です。
一般的な体重測定や腹囲だけでは分からない
内臓脂肪の蓄積を把握することで、
より具体的な生活習慣改善につなげられます。
「体重は多いけれど健診は正常」
「本当にこのままで大丈夫か不安」
「内臓脂肪をしっかり調べたい」
という方は、お気軽にご相談ください。
引用
Schulze MB, Stefan N.
Metabolically healthy obesity: from epidemiology and mechanisms to clinical implications.
Nature Reviews Endocrinology. 2024;20(11):633-646.
doi:10.1038/s41574-024-01008-5
