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脳神経内科認知症

認知症に抗精神病薬は危険?死亡リスクと脳卒中リスクをわかりやすく沖縄県那覇市の認知症専門医・脳卒中専門医が解説

認知症というと、
「もの忘れの病気」というイメージを
持つ方が多いと思います。

しかし実際には、もの忘れ以外にも
さまざまな症状があらわれることがあります。

たとえば

・怒りっぽくなる
・興奮して大声を出す
・幻覚が見える
・妄想が強くなる
・夜に眠れない

といった症状です。

これらは
認知症の行動・心理症状と呼ばれています。

英語では
BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)
と呼ばれます。

症状が強い場合、
医療現場では抗精神病薬という薬が
使われることがあります。

しかし近年、
この薬の使用には注意が必要であることが
多くの研究で指摘されています。

今回は、認知症と抗精神病薬の関係について
一般の方にもわかりやすく解説します。

【認知症で使われる抗精神病薬とは】

抗精神病薬は、
もともと統合失調症などの精神疾患に
使われる薬です。

脳内の神経伝達物質
ドパミンの働きを調整することで

・興奮
・幻覚
・妄想

などの症状を
抑える効果があります。

認知症では

・強い興奮
・攻撃的な行動
・幻覚

などがみられる場合に
処方されることがあります。

ただし重要なのは

抗精神病薬は認知症そのものを治す薬ではない

という点です。

あくまで
つらい症状を落ち着かせるために
使われる薬です。

そのため

・本当に必要か
・少ない量で使えるか
・中止できるか

を考えながら
慎重に使う必要があります。

【研究でわかった死亡リスクと脳卒中リスク】

最近の研究では、
介護施設に入所する認知症患者
約33万人を対象に分析が行われました。

その結果

抗精神病薬を使っている患者では

死亡リスクが高い

ことが示されました。

また一部の期間では

脳卒中のリスクも高い

可能性が示されました。

脳卒中とは

脳の血管が詰まったり
破れたりする病気です。

突然の

・手足の麻痺
・言葉が出ない
・意識障害

などを引き起こす
重大な病気です。

一方で

心筋梗塞との関連は明確ではありませんでした。

さらに研究では
薬の種類による違いも分析されています。

抗精神病薬には

・第一世代(古いタイプ)
・第二世代(新しいタイプ)

があります。

研究では

第一世代抗精神病薬の方が
死亡リスクが高い可能性

が示されました。

しかし

新しい薬でも
完全に安全というわけではありません。

そのため、
抗精神病薬の使用には
慎重な判断が必要です。

【薬だけに頼らない認知症治療】

認知症の行動症状は

薬だけで
解決できるものではありません。

症状の背景には

・睡眠不足
・便秘
・痛み
・感染症
・環境の変化

などが
関係していることがあります。

そのため

生活環境を整えることや
介護方法の工夫が

とても重要になります。

認知症治療では

薬を増やすより
原因を整えること

が大切なのです。

【新しい治療薬ブレクスピプラゾールの可能性】

近年、認知症の行動症状に対する
新しい薬として注目されているのが

**ブレクスピプラゾール
(商品名:レキサルティ)**です。

この薬は

ドパミン部分作動薬

と呼ばれる新しいタイプの薬です。

従来の抗精神病薬と比べ

脳の神経の働きを
過度に抑えすぎないよう
調整する特徴があります。

海外では

アルツハイマー型認知症の
興奮症状(agitation)

に対して
承認されています。

日本でも
2024年に

アルツハイマー型認知症に伴う
興奮症状

に対して
保険適応が追加されました。

これは

認知症の行動症状に対して
正式に承認された数少ない薬の一つです。

ただし

この薬も
万能の薬ではありません。

副作用の可能性もあるため

・本当に必要か
・適切な量か

を慎重に判断しながら
使う必要があります。

今後、認知症診療では

環境調整
+適切な薬物治療

を組み合わせた
総合的な治療が
ますます重要になると考えられます。

まとめ

認知症の行動症状に対して
抗精神病薬が使われることがあります。

しかし研究では

・死亡リスクの上昇
・脳卒中リスクの上昇

が指摘されています。

そのため

・必要な場合のみ使用
・最小量で使用
・定期的に見直す

ことが重要です。

また近年は

ブレクスピプラゾール(レキサルティ)

という新しい薬も登場し、
認知症の興奮症状に対する
新たな治療選択肢として
期待されています。

認知症治療では

薬だけに頼らず
生活環境や体調を整えること

がとても大切です。

【当院からのお知らせ】

那覇市・浦添市・沖縄県で
認知症・もの忘れ・BPSD(興奮・幻覚・妄想)にお悩みの方へ。

シーサー通り内科リハビリクリニックでは、
認知症の専門診療を行っています。

当院では
・認知症の早期診断(もの忘れ外来)
・薬物治療の最適化(内服の見直し・調整)
・BPSD(興奮・幻覚・妄想)の相談
・ご家族への介護アドバイス

などに対応しています。

「薬を続けていて大丈夫?」
「薬を減らせないだろうか?」
「症状に合った治療を受けたい」

このようなお悩みに対して、
患者さんとご家族の状況を踏まえながら、
無理のない治療方針を一緒に考えていきます。

那覇市・浦添市・沖縄県で
認知症外来・もの忘れ外来・BPSD対応・認知症治療のご相談をご希望の方は、
シーサー通り内科リハビリクリニックへ
お気軽にご相談ください。

参考文献

Okhravi HR, Fang F, Hunter MP, Sheehan BE.
Effect of antipsychotic medication use and type on mortality and cardiovascular risks in nursing home patients with dementia.
Alzheimer’s & Dementia: Diagnosis, Assessment & Disease Monitoring. 2026.
https://doi.org/10.1002/dad2.70247