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高齢者の貧血を放置しないで|認知機能低下・認知症との関係を解説
貧血は「認知症リスク」と関係する?
最新研究からわかる脳と血液の大切なつながり
「貧血」と聞くと、立ちくらみや疲れやすさを
思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし近年、貧血は体のだるさだけでなく、
脳の健康や認知症リスクとも関係する可能性が
注目されています。
2026年にJAMA Network Openに掲載された研究では、
高齢者の貧血とアルツハイマー病に関係する血液マーカー、
さらに認知症発症との関係が調べられました。
血液マーカーとは、血液検査で体や脳の状態を
推測するための目印のようなものです。
今回の研究では、貧血がある人では、
認知症のリスクが高くなる可能性が示されました。
【貧血と認知症リスクの関係】
この研究では、スウェーデンの60歳以上の高齢者2282人を、
平均9.3年間追跡しました。
研究開始時には、参加者に認知症はありませんでした。
その後、362人が認知症を発症しました。
貧血がある人は、貧血がない人と比べて、
認知症を発症するリスクが高い結果でした。
具体的には、貧血がある人では認知症リスクが
約1.66倍高いと報告されています。
ここでいう貧血は、血液中のヘモグロビンが少ない状態です。
ヘモグロビンは、体中に酸素を運ぶ大切な成分です。
つまり貧血があると、脳にも十分な酸素が届きにくくなり、
長い時間をかけて脳の働きに影響する可能性があります。
【アルツハイマー病血液マーカーとは】
今回の研究で特に注目されたのは、
アルツハイマー病に関係する血液マーカーです。
主に調べられたのは、次の3つです。
p-tau217は、アルツハイマー病の変化を反映しやすい
タンパク質です。
NfLは、神経の傷みやダメージを反映する目印です。
GFAPは、脳を支える細胞の反応を示す目印です。
難しく感じるかもしれませんが、簡単に言えば、
「脳の中で起きている変化を血液から見る方法」です。
研究では、貧血がある人ほど、これらの血液マーカーが
高い傾向を示しました。
特にNfLとp-tau217の上昇が目立っていました。
これは、貧血がある人では、脳の神経ダメージや
アルツハイマー病に関連する変化が起こりやすい可能性を
示しています。
【貧血を放置しないための対策】
大切なのは、「貧血=年齢のせい」と決めつけないことです。
高齢者の貧血には、鉄不足だけでなく、
ビタミンB12や葉酸不足、腎機能低下、慢性炎症、
消化管からの出血など、さまざまな原因があります。
そのため、自己判断で鉄剤を飲むだけでは不十分なことがあります。
まずは血液検査で、ヘモグロビン、鉄、フェリチン、
ビタミンB12、葉酸、腎機能、炎症反応などを確認することが大切です。
また、貧血がある方で、もの忘れ、意欲低下、ふらつき、
歩行の不安定さがある場合は、脳の健康も一緒に確認した方が安心です。
貧血を改善すれば必ず認知症を防げる、という研究ではありません。
しかし、貧血は見つけやすく、原因によっては治療できる場合があります。
認知症予防では、血圧、糖尿病、脂質異常症、運動、睡眠、
栄養、社会参加などを総合的に整えることが大切です。
その中で、貧血のチェックも、脳を守るための大切な一歩です。
当院からのお知らせ
シーサー通り内科リハビリクリニックでは、
もの忘れ、認知機能低下、貧血、生活習慣病の診療を行っています。
内科と脳神経内科の視点から、貧血の原因検索だけでなく、
認知症予防、脳卒中予防、動脈硬化の評価にも対応しています。
また、リハビリテーションを通して、歩行機能や筋力、
日常生活機能の維持にも力を入れています。
那覇市・浦添市・沖縄県で、貧血、もの忘れ、認知機能低下、
認知症予防、脳神経内科、生活習慣病でお困りの方は、
シーサー通り内科リハビリクリニックへご相談ください。
引用情報
Valletta M, Vetrano DL, Qiu C, et al.
Anemia and Blood Biomarkers of Alzheimer Disease in Dementia Development.
JAMA Network Open. 2026;9(4):e264029.
doi:10.1001/jamanetworkopen.2026.4029
