てんかんってどんな病気？症状・原因・治療法をわかりやすく解説

てんかんを正しく理解しよう〜症状・原因・治療まで〜

「てんかん（Epilepsy）」と聞くと、突然のけいれん発作を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
実際、てんかんは誰にでも起こりうる脳の病気の一つです。
この記事では、てんかんの基本情報から治療・予防、そして進化する薬物治療の最新情報までを、専門医の立場からわかりやすくお伝えします。

てんかんとは、脳の神経細胞が一時的に異常な電気信号を発し、繰り返し発作を起こす病気です。

発作にはさまざまなタイプがありますが、大きく分けて2つのタイプが存在します。

1つ目は「全般発作」。これは脳全体に異常が広がり、突然意識を失って全身がけいれんする「強直間代発作」が代表例です。

2つ目は「部分発作（または焦点発作）」。脳の一部分だけが異常になるもので、意識が保たれる場合もあります。
例としては、手や足がピクピク動く、小さな動きを繰り返す、急にぼーっとするなどがあります。

発作の持続時間は通常数十秒〜数分以内ですが、5分以上続く場合や何度も連続する場合は緊急対応が必要です。
すぐに救急車を呼んでください。

てんかんの原因は人によって異なり、年齢や生活背景によっても変わります。

主な原因としては以下のようなものが挙げられます。

一方で、若年層に多い「特発性てんかん」は、検査で明確な原因が見つからないこともあります。

診断には以下の検査が重要です。

可能であれば、発作の動画をスマートフォンで記録しておくと、診断の大きな助けになります。

てんかんの治療の基本は抗てんかん薬（AED）の内服です。
発作の種類に合わせて、適切な薬を選ぶことで、多くの方が発作をコントロールできます。

最近では、従来の薬に加えて、副作用が少なく、1日1回の服用で済むような新しい抗てんかん薬も登場しています。
これにより、患者さんのライフスタイルや他の病気に合わせた細やかな治療が可能になってきました。

ただし、薬が増えた分、「どの薬が誰に合うのか？」という判断は専門医の知識と経験が不可欠です。
年齢・性別・妊娠希望・仕事の内容・既存疾患など、多くの要素を考慮しながら、個別に薬を選んでいく必要があります。

当院では、神経内科専門医が一人ひとりの状態を見極め、内服薬の選定・調整・副作用管理を一貫して行います。
服薬の継続が不安な方、現在の薬が合っているか見直したい方も、安心してご相談ください。

てんかんはコントロール可能な病気ですが、発作を防ぐためには日常生活の工夫も大切です。

また、発作が落ち着いている方でも、運転免許の更新・就労上の配慮など、生活に関わるポイントはたくさんあります。
当院ではそうした社会的サポートも含めたトータルケアをご提供しています。

てんかんは適切な診断と治療で、多くの方が発作を抑え、日常生活を問題なく送ることができます。
治療法の進歩により、薬の選択肢も広がり、個別対応がしやすくなっています。

しかし、それを最大限に活かすためには、専門医による診断・薬の調整・フォローアップが重要です。
「これっててんかんかも？」「今の薬で良いのか不安…」と感じたら、
どうかお一人で悩まず、私たち専門チームにご相談ください。

【参考文献・引用】

シーサー通り内科リハビリクリニックでは、脳神経内科・内科各専門医がてんかんの診断から最新薬による治療、日常生活のサポートまでトータルに対応いたします。