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リハビリの効果を高める“ボツリヌス療法”とは?専門クリニックで早期相談を
ボツリヌス療法とは?筋肉のつっぱりをやわらげる注射治療
ボツリヌス療法とは、筋肉の過剰な収縮(こわばり)を和らげる治療法です。
脳卒中後の手足のつっぱりや、けいれんなどを軽減する目的で行われます。
使用される「ボツリヌス製剤」は、ボツリヌス菌から作られたたんぱく質で、
筋肉の収縮を抑える作用があります。これを注射で直接、つっぱった筋肉に投与します。
この治療は、内服薬では改善が難しい筋肉の過緊張に有効で、
歩行や着替えなど日常生活の動作が楽になることが期待されます。
安全性も高く、保険適用で行うことができる治療です。
ボツリヌス療法の対象となる症状と効果
こんな症状に心当たりはありませんか?
- 脳卒中の後遺症で腕が曲がったまま戻らない
- 手や足が固まったように突っ張って動かしづらい
- リハビリしても筋肉のこわばりが強くて効果が出にくい
これらの症状は、医学的には「痙縮(けいしゅく)」と呼ばれます。
ボツリヌス療法は、この痙縮に対してとても効果的です。
注射後は、数日から1週間程度で効果が現れ、3〜4か月ほど持続します。
リハビリと併用することで、筋肉が動かしやすくなり、機能回復が進みやすくなります。
また、痛みの軽減や、皮膚のただれ防止といった二次的な効果もあります。
治療の流れと当院での取り組み
治療は、次のような流れで進みます。
- 診察・評価:医師が痙縮の程度や日常生活への影響を確認します
- 治療計画の作成:どの筋肉に注射するか、どれくらいの量を使うかを決めます
- 注射の実施:超音波装置や電気刺激を使い、正確に筋肉へ注射します
- リハビリとの併用:注射後はリハビリで動かしやすくなった筋肉を活用します
当院では、超音波ガイド下での安全な注射技術に加え、
専門の理学療法士によるリハビリプログラムを併用し、
患者様一人ひとりに合わせた最適な治療を提供しています。
治療は、保険診療として受けることができ、通院での実施も可能です。
まとめ:リハビリの効果を高めるボツリヌス療法をあなたに
ボツリヌス療法は、単なる「注射治療」ではなく、
生活の質(QOL)を高め、リハビリの成果を最大化する重要な手段です。
「最近、動かしにくくなった」「以前よりリハビリの効果が感じにくい」
そんなときは、ぜひ一度ご相談ください。
当院でのご案内
那覇市の「シーサー通り内科リハビリクリニック」では、
総合内科・神経内科・リハビリ・動脈硬化・認知症の専門医が在籍し、
痙縮に対するボツリヌス療法を専門的に実施しています。
- 脳卒中後のリハビリに限界を感じている方
- 装具や移動が困難な方でも改善を目指したい方
- 介護負担を少しでも軽くしたいご家族の方
どうぞお気軽にご相談ください。完全予約制で丁寧に対応いたします。
【参考文献・ガイドライン】
- 日本神経学会編「脳卒中後痙縮治療ガイドライン2022」
- Simpson DM, et al. Botulinum neurotoxin versus tizanidine in upper limb spasticity: a placebo-controlled study.
- AAN Practice Parameter: Assessment: Botulinum neurotoxin for the treatment of spasticity (2008)
この記事は、総合内科専門医・神経内科専門医・認知症専門医・動脈硬化専門医としての責任をもって執筆・監修しました。
