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ニューロリハビリテーションリハビリテーション科脳卒中

耳に電気で脳を元気に?話題の耳介迷走神経刺激とは

耳へのやさしい刺激が、脳や体に大きな変化をもたらすかもしれません。
今回は「耳介迷走神経刺激(taVNS)」という新しい技術について、
医療の現場でも注目されている最新の情報をわかりやすくご紹介します。

耳介迷走神経刺激とは?

「耳介迷走神経刺激(taVNS)」とは、耳の外側にある神経(迷走神経の一部)に
電気的な刺激を与えることで、脳や体の機能を活性化させる方法です。

従来の「迷走神経刺激(VNS)」は、首の神経に手術で電極を埋め込む必要がありましたが、
taVNSは耳に機器を装着するだけ。痛みや手術の必要がなく、安全性も高いため、
今、非侵襲(体を傷つけない)な新しい治療法として期待が集まっています​。

どんな効果があるの?

taVNSの研究はまだ発展段階ですが、すでに以下のような効果が報告されています。

  • 脳卒中後のリハビリ促進
     麻痺した手足のリハビリにtaVNSを組み合わせると、運動機能の回復が促されることが、
     国内外の研究で示されています​​。
  • 脳の可塑性を高める
     可塑性とは「脳が変化する力」のこと。taVNSは、脳内の神経のつながりを活発にし、
     神経の再生や血流の改善を促します。これにより、学習や記憶力の改善も期待できます。
  • 認知機能のサポート
     最近では、認知症の予防や改善にも活用が始まっており、将来的には
     「耳にやさしい電気で認知機能を保つ」時代が来るかもしれません​​。

副作用や注意点はあるの?

taVNSは非常に安全性が高いとされています。特に注意すべき副作用は多くありません。
ただし、以下の点には注意が必要です。

  • 心臓への影響を避けるため、左耳のみへの刺激が基本
     右耳には心臓を調節する神経があるため、通常は左耳のみ刺激します。
  • 効果には個人差がある
     症状や体質によって効果の出方には差があるため、医師の指導のもとで使用することが望ましいです。
  • 現段階では研究中の治療法
     taVNSはすでに多くの臨床試験で効果が示されつつありますが、まだ保険適用外のケースもあり、
     今後のエビデンスの蓄積が期待されます。

まとめ

耳介迷走神経刺激(taVNS)は、耳へのやさしい刺激によって脳や体の機能を改善する、
新しい時代のリハビリ・脳機能サポートツールです。

リハビリの効果を高めたい方、認知症が気になる方にとって、
将来有望な選択肢のひとつとなる可能性があります。

当院では耳介迷走神経刺激を取り入れています

那覇市の「シーサー通り内科リハビリクリニック」では、
脳卒中後遺症や認知機能低下が気になる方への新しいリハビリ治療として、
耳介迷走神経刺激(taVNS)を導入しています。

痛みが少なく、通院しながら行える安全な治療法です。
ご興味のある方は、お気軽にご相談ください。

【参考文献・引用】

  1. 久保仁・角田亘.経皮的迷走神経刺激.Jpn J Rehabil Med. 2022;59(5):484-489.
  2. Dawson J, et al. Lancet. 2021;397(10284):1545-1553.
  3. Capone F, et al. Neural Plast. 2017;2017:7876507.
  4. Wu D, et al. Neural Plast. 2020;2020:8841752.
  5. 新潟大学 脳研究所コラム. https://www.bri.niigata-u.ac.jp/research/column/002170.html