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一般内科
🔥【高齢化×猛暑】で救急搬送が急増中!?知られざる熱中症リスクとは
【1】高齢者はなぜ熱中症にかかりやすいのか?
近年の猛暑は、命にかかわる健康被害をもたらしています。特に注意が必要なのが高齢者です。
年をとると、体温調節機能が弱まり、暑さを感じにくくなることがあります。また、慢性疾患や筋力の低下、水分補給の不足、エアコンの使用を控える習慣などが重なり、熱中症にかかりやすくなるのです。
実際、日本では熱中症で救急搬送される人の約半数が65歳以上です。とくに東京・大阪・名古屋といった都市部では搬送者が多く、都市の「ヒートアイランド現象」も拍車をかけています。
【2】人口高齢化が引き起こす“隠れた猛暑リスク”
東京大学などの研究チームが行った最新の研究によると、日本の人口高齢化は猛暑による救急搬送を実質的に増加させていることがわかりました。
具体的には、1995年と比べて高齢化が進んだ2010〜2019年の日本では、熱中症による救急搬送が年間15%も多くなっていたのです。これは、気温が0.3℃上昇した場合と同じ程度のインパクトです。
さらに、2045年に予測されている“超高齢社会”が到来した場合、搬送件数は現在の最大30%増になる可能性があり、その影響は気温0.5℃上昇と同等以上とも試算されています。
つまり、高齢化は「気温上昇と同じくらい危険な要因」なのです。
【3】私たちにできる「熱中症対策」とは?
このような背景を受けて、特に高齢者が安全に夏を過ごすための対策が急務です。
以下のような工夫が効果的です:
- 家の中でもエアコンを適切に使用する
- 喉が渇く前に水分補給をする
- 一人暮らしの高齢者に定期的に声をかける
- 熱中症警戒アラートをチェックする
- 地域の「クーリングシェルター(避難所)」を活用する
また、65歳以上でも働き続ける人が増えている日本では、建設・運送・介護などの現場で高齢者を守る仕組み作りも求められています。
🔚まとめ
✔ 高齢者は熱中症にかかりやすく、搬送リスクが高い
✔ 人口高齢化そのものが、猛暑による健康リスクを悪化させる
✔ 気温上昇と同じレベルの深刻な影響があることが明らかに
✔ エアコン活用、水分補給、地域の見守りで命を守ろう!
🔍参考文献・出典
- Guo Q. et al. (2025). Population aging exacerbates heat stroke-related ambulance transportations in Japan. Environment International. https://doi.org/10.1016/j.envint.2025.109506
- 総務省消防庁「熱中症による救急搬送状況」
- 日本気象庁「気候変動監視レポート 2021」
- 内閣府「高齢社会白書(令和5年版)」
