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脳神経内科頭痛

めまいの原因と対処法|危険なサインと治療のポイント

はじめに

めまいは、頭がぐるぐる回る、ふわふわする、立ちくらみがするなど、さまざまな感覚として現れます。実は、めまいは内科や脳神経内科でもとても多い症状で、原因は軽いものから脳梗塞のような命に関わる病気まで幅広くあります。この記事では、めまいの種類・危険なサイン・治療法を分かりやすく解説します。

めまいの種類と原因を知ろう

めまいは大きく3つのタイプに分けられます。

急性めまい(AVS)
突然強いめまいが起こり、何時間も続きます。
・原因の一例:脳梗塞、前庭神経炎(内耳の障害)
・症状:激しい回転感、歩けないほどのふらつき

発作性めまい(EVS)
発作的に繰り返すめまいが起こり、数分~数時間でおさまります。
・原因の一例:良性発作性頭位めまい症(BPPV)、メニエール病、前庭性片頭痛
・症状:頭の位置を変えるとめまい、耳鳴り

慢性めまい(CVS)
3か月以上続く慢性的なふらつきです。
・原因の一例:両側の内耳機能低下、機能性めまい(PPPD)
・症状:ふわふわした不安定感

めまいの性質だけで病気を決めるのは難しく、詳しい診察が欠かせません。

危険なめまいを見逃さないポイント

特に注意が必要な「危険なめまい」のサインを知っておきましょう。

急に起こり、数時間以上続く強い回転性のめまい
めまいに加えて片側の手足のしびれや力が入らない
二重に見える、ろれつが回らない
片側の耳が急に聞こえなくなった
意識を失いかけた

こうした症状があるときは、脳梗塞や脳出血などの重大な疾患の可能性があります。救急車を呼ぶか、すぐに病院を受診してください。

また、診察のときに行われるHINTS検査は、めまいの原因を見極める大切な検査です。
HINTSとは、「頭の動きの反射(Head Impulse)」「眼振(Nystagmus)」「眼の位置ずれ(Test of Skew)」の略で、短時間で危険な脳の病気を疑うサインを調べます。


めまいの治療は、原因に応じて異なります。

めまいの治療とセルフケア

良性発作性頭位めまい症(BPPV)
内耳の耳石(バランスを感知する小さな石)がずれて起こります。
・治療:エプリー法などの頭位治療で耳石を元に戻します。
・セルフケア:頭を動かす体操を継続しましょう。

前庭神経炎(内耳の急性障害)
急に起こる強い回転性めまいが特徴です。
・治療:抗めまい薬は2~3日だけ使い、その後はリハビリで回復を目指します。

メニエール病
耳鳴りや難聴を伴うめまい発作です。
・治療:食事療法(塩分制限)、薬物療法、耳鼻科での治療
・セルフケア:規則正しい生活とストレス管理が大切です。

機能性めまい(PPPD)
体の異常がないのに長く続くふらつきです。
・治療:リハビリ、認知行動療法、抗うつ薬など
・セルフケア:適度な運動と気分転換を心がけます。

治療の目標は、めまいを早く和らげ、再発を予防することです。医師と相談しながら治療を進めましょう。

まとめと受診のすすめ

めまいは多くの人が経験しますが、原因は多岐にわたります。

症状の経過やきっかけをメモに残す
危険な症状があるときは迷わず受診
自己判断で薬を長期間使わない

これらを心がけることが大切です。

エプリー法の動画です