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「お金の使い方」が教えてくれる認知症のサインとは? 最新研究から学ぶ
【お金の使い方でわかる?認知症の“見えないサイン”】
最近、家族の中で「お金の管理がちょっと変だな…」と感じたことはありませんか?
実は、高齢者の認知機能の低下は、お金の使い方や銀行での行動に早くから現れることがわかってきました。
2025年に発表されたイギリスの大規模研究では、約6万7000人の銀行データを解析し、「金銭的判断能力の低下」が日常の金融行動にどう表れるかを調査しました。その結果、驚くべき変化が明らかになったのです。
【日常の支出に表れる“変化”】
キーワード:支出行動の変化、外出の減少、在宅傾向
認知機能が低下してきた高齢者は、健康な人と比べて次のような特徴が見られました。
- 服や趣味、旅行などの支出が大きく減少
例)洋服:-9.1ポイント、旅行:-9.6ポイント、園芸などの趣味:-7.9ポイント - 一方で、家に関わる支出(ガス・電気など)が増加
→ 在宅時間の増加や行動範囲の縮小が背景にあると考えられます。
このような支出パターンの変化は、認知機能が衰え始めてから少しずつ進行し、発症の約10年前から見られることもありました。
【見逃されやすい“金融のミス”】
キーワード:オンラインバンキングの減少、詐欺被害、カードの紛失
銀行の利用状況でも、以下のようなサインが見つかりました。
- ネットバンキングへのログイン回数が減少
- 暗証番号の再設定やカードの紛失が増加
- 詐欺被害や不正請求が報告される頻度が上昇(例:動物保護団体への高額寄付)
こうした「金融エラー」は、本人が気づきにくい一方で、周囲の家族が変化に気づくヒントになります。
【予防と対策の第一歩は“気づくこと”】
キーワード:金銭的脆弱性、成年後見制度、家族の見守り
この研究は、認知症が始まるずっと前から“お金の使い方”にサインが現れることを示しています。
そのため、家族や身近な人が以下のような対策をとることが大切です。
- 日常的なお金の使い方を定期的に確認する
- クレジットカードや定期的な支払いを見直す
- 必要に応じて、任意後見制度や家族信託など法的保護を検討する
早めの対応が、本人の尊厳や資産を守ることにつながります。
【まとめ】
- 高齢者の「お金の使い方」の変化は、認知機能低下の早期サインになり得る
- 洋服・趣味・旅行などの支出減、詐欺被害や銀行トラブルが増えることが要注意
- 家族の見守りと適切な制度の活用が、安心した生活を支えます
【出典】
Trendl A, Anwyl-Irvine A, et al. Early Behavioral Markers of Loss of Financial Capacity. JAMA Network Open. 2025;8(6):e2515894. doi:10.1001/jamanetworkopen.2025.15894
