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脳神経内科頭痛

片頭痛と生活習慣の関係を科学的に解明!最新研究が示す5つの危険因子

【片頭痛は“生活習慣”で防げる時代に?】

つらい片頭痛。天気やストレスのせいにされがちですが、最新の研究によって「本当にリスクを高める習慣」が明らかになってきました。

2025年に発表された国際共同研究では、遺伝情報を使って、38の生活習慣や疾患と片頭痛との因果関係を分析。その結果、「これを控えれば片頭痛の予防につながるかもしれない」という重要な手がかりが見つかりました。

この記事では、研究からわかった片頭痛の“修正可能な危険因子”と、その予防につながるヒントをわかりやすく解説します。

【ポイント①:片頭痛リスクを高める5つの習慣】

研究では以下の5つの因子が、片頭痛のリスクを“直接的に”高めるとされました。

  • 飲酒頻度の高さ(週に何度も飲む人ほどリスク上昇)
  • 喫煙歴が長いこと(一生の中でどれだけ吸ったかを示す指標)
  • 不眠症(睡眠の質・量ともに重要)
  • 睡眠時間が長すぎること(7時間を大きく超える長時間睡眠も注意)
  • 高血圧(血管の収縮と片頭痛の関連性が示唆)

これらはいずれも「自分でコントロールできる」要素です。特に睡眠と血圧管理は、すぐに実践できる重要な対策です。

【ポイント②:片頭痛のタイプ別に異なるリスク因子】

片頭痛には、「前兆あり(MA)」と「前兆なし(MO)」の2タイプがあります。今回の研究では、それぞれで異なる因子が目立ちました。

【前兆あり(MA)のリスク因子】

  • 糖質・砂糖の摂取量が多い
  • 喫煙歴が長い
  • 飲酒頻度が高い
  • 高血圧
  • 不眠
  • 初産年齢が遅いことはリスクを下げる要因に

【前兆なし(MO)のリスク因子】

  • 飲酒頻度
  • 高血圧
  • 不眠
  • 初産年齢が早いことがリスク上昇に関連

つまり、女性の場合、出産年齢も片頭痛リスクと関連することがわかります。生理やホルモンと関係が深い片頭痛ならではの結果です。

【ポイント③:片頭痛は「防げる病気」になるかもしれない】

今回の研究は、偶然の重なりではなく「遺伝的背景に基づく因果関係」を分析した点が特徴です。

これまで、「不眠が片頭痛を悪化させる」「飲酒後に頭痛が起こりやすい」といった経験的な知見はありましたが、それらが**“本当に原因になっている”**かは証明されていませんでした。

しかしこの研究により、「改善すれば予防につながる可能性がある因子」が明確になりました。
つまり、片頭痛は“体質だから仕方ない”ではなく、生活習慣を見直すことでコントロールできる病気へと近づいているのです。

【まとめと当院からのメッセージ】

・飲酒、喫煙、不眠、高血圧、長すぎる睡眠時間は片頭痛のリスクを高めます。
・食事(糖質)、出産年齢などもタイプ別に関連があります。
・生活を見直すことが、薬だけに頼らない片頭痛予防につながります。

当院「シーサー通り内科リハビリクリニック」では、頭痛専門医・神経内科専門医による片頭痛のトータルケアを提供しています。薬物療法だけでなく、生活指導やストレスマネジメント、睡眠改善プランも含めたサポートを行っています。

片頭痛にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。