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重症筋無力症とは?症状・原因・治療法をわかりやすく解説
重症筋無力症とは?症状・診断・治療をわかりやすく解説
重症筋無力症(じゅうしょうきんむりょくしょう)は、
体を動かす筋肉に力が入りにくくなる自己免疫疾患(じこめんえきしっかん)です。
「自己免疫」とは、本来外敵を攻撃する免疫が、自分の体を間違って攻撃してしまう状態を指します。
ここでは、重症筋無力症の【症状】【診断】【治療とリハビリ】の3つの観点から解説します。
【症状と日常で気づきやすいサイン】
重症筋無力症の代表的な症状は、筋肉の力が入りにくくなる「筋力低下」です。
特に顔や目の周りの筋肉が最初に影響を受けやすく、以下のような症状が見られます。
・まぶたが下がって目が開きにくい(眼瞼下垂)
・ものが二重に見える(複視)
・声がかすれる、食べ物を飲み込みにくい
これらは、朝は比較的軽く、夕方になると強くなるのが特徴です。また、手足や首の筋力も弱くなり、立ち上がるのに苦労することもあります。こうした症状が数週間から数か月で徐々に進む場合、早めに専門医に相談することが大切です。
【診断方法と検査の流れ】
重症筋無力症の診断では、
症状の経過を詳しく聞く問診と、
身体診察がとても重要です。
疑いがある場合は以下の検査を行います。
・血液検査:
自己抗体(じここうたい)と呼ばれる異常な抗体が
血液中にないか調べます。
代表的なのが「抗アセチルコリン受容体抗体」です。
・神経伝導検査:
筋肉や神経に電気を流し、疲れやすさを確認します。
・アイスパックテスト:
目に冷たい氷を当てると症状が一時的に改善する特徴を利用する簡便な検査です。
また、胸のCT検査で「胸腺腫(きょうせんしゅ)」と呼ばれる腫瘍が隠れていることもあり、治療方針の決定に役立ちます。
【治療とリハビリのポイント】
治療の基本は免疫を抑える薬と、
神経と筋肉の伝達を助ける薬の併用です。
・ピリドスチグミン:
神経から筋肉への信号を強くする薬です。
・ステロイドや免疫抑制薬:
異常な免疫反応を抑えるために使います。最近ではさまざまな生物学的製剤(点滴などの免疫抑制剤)が登場しています。
症状が急に悪化し、呼吸筋が弱くなる「クリーゼ」という危険な状態では、入院して血液浄化療法(血漿交換や免疫グロブリン療法)を行います。
リハビリも大切で、筋力の維持や誤嚥予防の訓練を行います。疲れすぎると症状が悪化するため、無理せず休息をとりながら進めることがポイントです。
日常生活では、重いものを持たない、こまめに休む、バランスの良い食事を心がけることが役立ちます。
【当院でのサポート体制】
当院では、重症筋無力症の診断から治療、生活支援まで一貫したサポートを行っています。
もし、まぶたの下がりや疲れやすさ、飲み込みにくさが気になる方は、
お気軽にご相談ください。最新の検査機器と経験豊富な専門医が、安心できる診療を提供いたします。
参考文献 ・日本神経学会「重症筋無力症診療ガイドライン」
・Myasthenia Gravis Fact Sheet, National Institute of Neurological Disorders and Stroke
・厚生労働省 難病情報センター
