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一般内科生活習慣病(高血圧・糖尿病など)

「高血圧の薬、飲み忘れていませんか?」〜最新研究からわかる対策と課題〜

【高血圧と薬の飲み忘れ:見えにくい大きなリスク】

高血圧は、日本でも多くの人が抱える生活習慣病のひとつです。
しかし、薬をきちんと飲み続けることが難しいと感じる人も少なくありません。

実際、高血圧の患者さんの約半数が「服薬アドヒアランス(薬を決められた通りに飲むこと)」に問題を抱えているといわれています。
この「飲み忘れ」や「自己判断で中断」が続くと、脳卒中や心筋梗塞などのリスクが大きくなってしまいます。

最近の研究では、薬を15%多くきちんと飲めるようになるだけで、脳卒中リスクが約9%、死亡リスクが約7%も下がると報告されています。
それだけに、医療現場では「どうすれば患者さんが薬を続けられるのか」が大きな課題となっているのです。

【最新研究:チーム医療×電子カルテ連携の効果は?】

アメリカ・ニューヨーク州の医療機関で行われたTEAMLET試験では、
「服薬忘れ」を自動的に検出し、チーム医療でサポートする新しい試みが行われました。

この研究では、電子カルテと薬局データを連携させることで、
「薬を80%未満しか飲んでいない高血圧患者さん」を来院時に自動的に抽出。

さらに以下のような流れでチーム医療が行われました:

  • 医療アシスタントが、飲み忘れの理由(忘れる、お金がない、副作用が心配など)を簡単にヒアリング
  • 主治医にその情報が共有され、診察中に患者さんと話し合い
  • 必要なら、服薬サポート用の資料を渡す

このように、技術と人の連携によって、服薬状況の「見える化」と「対話による支援」が行われたのです。

【結果はどうだった?改善したのは“認識”だけ】

研究に参加したのは1726人の患者さんで、平均年齢は約67歳。
そのうち約半数が新しい支援を受け、残りは従来の通常診療を受けました。

12か月後の結果は以下のとおりでした:

  • 支援を受けたグループも、通常診療グループも「薬を飲んだ日数の割合」は約18%改善
  • 血圧の改善度も両グループで同程度
  • つまり、「チーム医療+デジタル介入」は、残念ながら効果を示せませんでした

ただし、副次的な効果もありました。
主治医が診察中に「服薬状況」について記録する頻度は、通常より約9%多かったのです。
つまり、「服薬の重要性」に関する認識や対話は少しずつ浸透してきたとも考えられます。

【高血圧の薬を続けるためにできること】

今回の研究では、技術とチーム医療を組み合わせても、劇的な改善は見られませんでした。
とはいえ、薬をきちんと続けることの重要性は変わりません。

服薬を続けるためのコツは次のような点です:

  • 毎日同じタイミングで飲む習慣をつける(例:朝ごはんの後)
  • カレンダーアプリや薬の仕分けケースを活用する
  • 飲み忘れや副作用を主治医に遠慮なく相談する
  • 「なぜこの薬が必要なのか」を自分で理解するこれが一番重要です!

薬は「症状がないからもう飲まなくていい」ものではなく、
血圧のコントロールを“見えないところで支える”大事なパートナーですし、心臓・脳・腎臓を保護する副次的な効果もあります!

【まとめ:高血圧治療は「継続」がカギ】

高血圧は、放っておくと命にかかわる病気ですが、
薬をきちんと続けることでリスクを大幅に減らすことができます。

今回の研究では、システムを活用した介入だけでは効果は限定的でしたが、
医師や医療チームとの信頼関係が“継続”への鍵になることが示されました。

ぜひご自身の薬について、不安な点があれば気軽にかかりつけ医へ相談してください。

【引用論文】

Blecker S, Mann DM, Martinez TR, et al. Medication Adherence in Hypertension: A Cluster Randomized Clinical Trial. JAMA Cardiology. Published online July 9, 2025. doi:10.1001/jamacardio.2025.2155