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「コロナワクチン2023-2024の効果は?最新研究で分かった有効性と持続期間」
2023-2024年版コロナワクチンの最新研究
〜効果はどれくらい?持続期間と注意点〜
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は今も変異を続けています。特にオミクロン株の派生型(XBBやJN.1など)の流行が繰り返され、ワクチンの有効性も変化しています。今回は米国の大規模調査をもとに、最新のワクチン効果について解説します。
【感染予防の観点:救急受診を減らす効果】
2023-2024年シーズンのコロナワクチン(XBB.1.5対応型)は、接種から最初の2か月程度は救急や急患外来への受診を約半分に減らす効果が確認されました。
具体的には、接種後7~59日間での有効性は約49%(※救急や急患外来受診に対する効果)と高めです。しかし、接種から半年が過ぎると効果は大幅に低下し、180日以降では有効性がほとんどなくなる、またはマイナス(感染防御効果なし)になる傾向が示されました。
このため、流行が長引く場合には追加接種が推奨されています。
ポイント
- 接種直後(約2か月)の有効性:49%
- 半年後の有効性:ほぼ消失(−7%)
- 救急受診や外来受診は一定期間減る
【入院予防の観点:重症化を抑える力】
ワクチンは救急外来だけでなく入院やICU(集中治療室)での治療を減らす効果も期待されます。
研究では、接種から7〜59日の間は入院を51%、重症化(ICU入室や死亡)を68%減らす効果が確認されました。
しかし、この効果も時間とともに減少し、180日以降では入院予防効果はほぼゼロに近づきました。
それでも重症化を防ぐ効果は比較的長持ちし、半年後でも16%程度の効果が残ると推定されています。
ポイント
- 入院予防:接種後2か月で約51%の効果
- 重症化予防:接種後2か月で約68%、半年後でも約16%
- 高齢者では効果が比較的高い
【今後の課題:効果の持続と追加接種】
この研究は、現在のワクチンが「時間とともに効果が減る」という重要な点を明確に示しています。
特に、オミクロン株の新たな系統(JN.1など)に対しては、最初の数か月は一定の効果が期待できますが、それ以降は感染予防効果が急速に減衰するため、定期的な接種が推奨されます。
CDC(米国疾病予防管理センター)でも、2024–2025年シーズンには新たな株に対応するワクチンを全成人に接種するよう呼びかけています。
高齢者や持病を持つ方は特に重症化リスクが高いため、追加接種を検討しましょう。
ポイント
- 感染予防効果は短期間(2〜3か月)
- 重症化予防効果はやや長持ち
- 新しい系統に合わせたワクチン接種が必要
まとめ
2023–2024年の最新研究では、コロナワクチンが短期的には一定の感染予防と重症化予防効果を持つことが確認されました。ただし、時間経過とともに効果が弱まるため、流行状況や自分の健康状態に応じて追加接種を検討することが大切です。
不安な方や持病をお持ちの方は、かかりつけ医に相談しましょう。
引用文献
- Link-Gelles R, Rowley EAK, Irving SA, et al. Estimated 2023–2024 COVID-19 Vaccine Effectiveness in Adults. JAMA Network Open. 2025;8(6):e2517402. doi:10.1001/jamanetworkopen.2025.17402
