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がんはどこまで増える?2050年までの見通しと今日からできる予防策
【世界のがん統計2025・将来予測】
がんは今や世界の主要な死因の一つです。最新の国際分析では、
2023年の新規発症は約1850万件、死亡は約1040万件に達しました。
2050年には発症3050万件、死亡1860万件と見込まれ、増加が続きます。
これらの多くは人口の高齢化と増加が背景で、国や地域で差も大きいです。
数は増えても「年齢標準化死亡率」は緩やかに低下しつつあります。
ただしSDGsの「非感染性疾患の早死を3分の1減らす」目標には未達です。
※年齢標準化死亡率=年齢構成の違いをならした公平な比較用の指標です。
※SDGs=国連の持続可能な開発目標で、健康分野にも数値目標があります。
この現状を知ることは、個人の備えにも社会の対策にも直結します。
【生活習慣リスク・予防策(禁煙・体重・感染対策)】
最新分析では、がん死亡の約4割が生活や環境などのリスクに関連します。
主な要因は「喫煙、飲酒、過体重(肥満)、不健康な食事、運動不足」。
加えて「肝炎ウイルス・HPVなどの感染」や職業曝露も重要とされています。
禁煙は最優先です。受動喫煙の回避や禁煙外来の活用も効果が高い一手です。
飲酒は「できれば控える」が基本。少量でもリスク上昇が示唆されます。
体重管理は「食事×活動量」。体脂肪と筋肉のバランス改善が要となります。
加工肉・塩分・砂糖のとり過ぎを避け、野菜・果物・穀物を増やしましょう。
中強度の有酸素運動(速歩など)を週150分めざすのが現実的な目標です。
感染関連では、肝炎・HPVワクチン、適切な検査・治療が一次予防になります。
※一次予防=病気になる前に原因を減らす、最も費用対効果の高い方法です。
【検診・早期発見・受診の目安(かかりつけ医の役割)】
がんは「早期発見・早期治療」で治療成績が大きく変わる病気です。
年齢や性別に応じた自治体や職域の検診を、まずは漏れなく受けましょう。
代表例は、胃・大腸・肺・乳・子宮頸がん検診(各自治体の案内を確認)。
喫煙歴が長い方は、医師と相談して低線量CTなどの精密検査を検討します。
慢性的な体重減少、血便、長引くせき・嗄声、飲み込みづらさ等は要注意。
「いつもと違う」症状が続くときは、早めに受診して原因を確かめましょう。
かかりつけ医は、生活習慣の見直しや検診・専門医紹介のハブになります。
検診結果のフォロー、必要時の画像検査や血液検査の組合せも重要です。
治療中・治療後の方には、再発チェック、合併症管理、生活支援も行います。
※DALY=病気で失われた寿命と健康期間の合計。社会全体の負担を示す指標。
【まとめ:今日からできる三つの行動】
一つ目は禁煙と節酒。サポート資源を使い、成功率を上げて進めましょう。
二つ目は体重管理と運動。食事の日記と歩数計で「見える化」すると続きます。
三つ目は検診の受診と結果の保管。家族とも共有し、次回予定も記録します。
小さな一歩の積み重ねが、個人の健康と社会のがん負担の軽減につながります。
迷ったら、かかりつけ医に相談。自分に合う現実的な計画作りを支援します。
【参考文献・リンク】
GBD 2023 Cancer Collaborators. The global, regional, and national burden of cancer,
1990–2023, with forecasts to 2050: a systematic analysis for the GBD Study 2023.
The Lancet. 2025;406(10512):1565–1586. DOI:
10.1016/S0140-6736(25)01635-6
【当院からのお知らせ(シーサー通り内科リハビリクリニック)】
当院は一般内科・脳神経内科・リハビリを標榜し、生活習慣病の管理を重視。
禁煙支援、運動・栄養の個別アドバイス、ワクチン接種の相談も承ります。
胸部CT等の画像検査や近隣医療機関との連携で、精密検査にも迅速に対応。
「検診結果の見方が不安」「次に何をすべき?」という方はご相談ください。
Web・LINEで予約可能。那覇市の皆さまの“続けられる予防”を全力で支えます。
