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片頭痛は「お腹の脂肪」と関係する?原因・予防・治し方を医師が解説
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片頭痛と肥満には、思った以上に深い関係があります。
最近の大規模研究では、とくにお腹の脂肪(内臓脂肪)の多さが、
将来の片頭痛リスク上昇と関連することが示されています。
今日は、原因の考え方とセルフケア、医療機関の受診目安を、
やさしい言葉でぎゅっとまとめてご紹介します。
【片頭痛と肥満の関係:なぜ「ウエスト」がカギ?】
片頭痛は、こめかみがズキズキ痛み、吐き気や光に弱くなる病気です。
肥満のなかでも、お腹まわりの脂肪が多いタイプは全身で炎症が起きやすく、
血管や神経が刺激を受けやすい状態になります。これが痛みの引き金に。
研究では、体格指数(BMI)よりもウエスト周囲径のほうが、
片頭痛リスクと独立して強く関係していました。若年層ほど要注意です。
脂肪細胞からは、サイトカインという炎症物質が分泌されます。
これが三叉神経や血管を過敏にして、痛みの回路が活発化します。
また睡眠の質低下、無呼吸、血糖の乱高下、肩こりの悪化などが重なり、
「痛みが出やすい体の地ならし」をしてしまうこともポイントです。
つまり体重そのものだけでなく、お腹の脂肪=内臓脂肪が焦点なのです。
【今日からできる:食事・運動・生活での実践ポイント】
①食事:主食は精製度の低いもの(玄米・全粒粉)を基本にします。
血糖の急上昇は炎症や片頭痛の誘因になりうるため、ゆるやか上昇が理想。
たんぱく質は魚・大豆・卵・鶏むねをバランスよく、野菜は両手山盛りに。
加工肉・菓子パン・砂糖飲料は「日常」ではなく「イベント」に格下げ。
カフェインは摂りすぎが痛みを呼ぶことも。1日コーヒー2杯目安が安心。
②運動:まずは速歩20〜30分を週5日が目標。分割でも効果は続きます。
膝に不安があれば、室内バイクや水中ウォーキングを活用しましょう。
筋トレは週2〜3回、太もも・お尻・背中の大きな筋群を中心に。
「息を止めず、反動を使わない」だけ守れば、家でも十分に行えます。
運動は内臓脂肪を減らし、睡眠の質を上げ、自律神経も整えてくれます。
③睡眠とストレス:就寝1時間前は「光と情報」をダウンシフト。
スマホの強い光や刺激的な動画は脳を覚醒させ、痛みの地ならしに。
湯船は就寝90分前に10〜15分。体温がゆっくり下がると眠りやすいです。
肩と首のストレッチを1分でも。呼吸を合わせると副交感神経が優位に。
鎮痛薬は「月10日以上の連用」で薬剤乱用頭痛のリスクが上がります。
【受診の目安と医療でできること】
「月2回以上の強い頭痛」「生活や仕事を妨げる」「吐き気や光過敏が強い」
「鎮痛薬が効きにくくなった」「めまいやしびれを伴う」なら受診を。
トリプタンやジタン(ラスミジタン)、CGRP関連薬など、
片頭痛の急性期治療と予防治療の選択肢が広がっています。
生活改善と薬物治療を組み合わせると、発作回数の大幅減が期待できます。
医療機関では、二次性頭痛(くも膜下出血、動脈解離など)の除外も重要。
CTやMRI、血液検査、頸動脈の評価など、必要に応じて安全確認をします。
また、睡眠時無呼吸、歯ぎしり、頚椎性の痛み、眼精疲労の併存もチェック。
原因が複数重なると治療は難航しますが、順番にほどけば必ず軽くなります。
「痛み日記」アプリで発作回数・誘因・薬の回数を見える化すると有効です。
体重管理は“数字のため”ではなく“脳のため”という視点を持ちましょう。
ウエストが5cm縮むだけで、睡眠の質、日中の集中力、肩こりが変わります。
食事・運動・睡眠の小さな改善を3週間続けると、体は目に見えて反応。
頭痛外来では、あなたの生活に合わせた“続く工夫”を一緒に考えます。
「完全にゼロ」は難しくても、「頻度と強さを半分に」は十分に可能です。
よくある質問
Q. ダイエットで片頭痛はすぐ良くなりますか?
A. 個人差はありますが、1〜3か月で「回数」か「強さ」に変化が出やすいです。
Q. お酒はだめ?
A. 量とタイミングがポイント。寝酒は睡眠を浅くし、翌日の痛みを招きます。
Q. コーヒーは?
A. 1〜2杯/日ならOK。痛みが出たからといって何杯も重ねるのは逆効果です。
Q. 市販薬だけで頑張ってよい?
A. 月10日以上の使用は要注意。早めに専門医へご相談ください。
■引用情報(リンク付き)
Jang S-I, Kim N, Han K, Lee MJ. Neurology. 2025;105(9):e214252.
“Association Between Obesity and the Risk of Migraine: A Nationwide Cohort Study in South Korea.”
DOI: 10.1212/WNL.0000000000214252
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**シーサー通り内科リハビリクリニック(那覇市)**は、内科・脳神経内科・
リハビリを標榜し、頭痛外来を設けています。CT・骨密度(DEXA)を備え、
睡眠評価、姿勢・歩行のチェック、運動療法(コグニバイク等)も対応。
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