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肺がん検診の受診率が低い理由と、今日からできる受け方のコツ(低線量CT)
肺がんは、早い段階では自覚症状が出にくい病気です。
だから「症状がないうちに見つける」仕組みが大切になります。
近年、肺がん検診では胸部レントゲンだけでなく、
**低線量CT(LDCT)**が注目されています。
低線量CTは、通常のCTより放射線量を抑えながら、
小さな影を見つけやすい検査です。
この記事では、一般の方が迷いやすいポイントを
「効果」「対象」「受け方」の3つで分かりやすく整理します。
【観点1:効果|キーワード:低線量CT・死亡率低下・早期発見】
低線量CTの目的は、肺がんを早く見つけて治療につなげ、
結果として「肺がんで亡くなる人を減らす」ことです。
最新の研究では、対象者がしっかり受診できれば、
肺がん死亡をかなりの規模で減らせる可能性が示されています。
ただし、誤解されやすい点があります。
検診は「受ければ必ず助かる」ものではありません。
それでも、対象の人が受けることで、
集団として救える命が増える可能性がある。
これが低線量CT検診の大きな価値です。
【観点2:対象|キーワード:喫煙歴・パックイヤー・年齢】
低線量CTは「誰でも受ける検査」ではありません。
肺がんになりやすい人(リスクが高い人)に勧められます。
目安としてよく使われる基準の1つが、
50〜80歳で、一定以上の喫煙歴がある方です。
喫煙歴は「パックイヤー」で数えます。
これは、喫煙量を数字で整理する方法です。
- 1日1箱(20本)×1年 = 1パックイヤー
- 1日1箱×20年 = 20パックイヤー
- 1日2箱×10年 = 20パックイヤー
「昔吸っていたけど、今はやめた」という方も対象になることがあり、
禁煙してからの年数もポイントになります。
ここで大事なのは、
自分が対象かどうかを、まず確認することです。
健康診断の結果だけでは判断がつかないこともあるので、
かかりつけ医に「低線量CTの検診対象ですか?」と聞くのが早いです。
【観点3:受け方と注意点|キーワード:受診率・不安・追加検査】
現実には、対象の人でも「受けていない」方が多いとされています。
理由は、だいたい次の3つに分けられます。
1つ目は、自分が対象だと知らないこと。
「元気だから大丈夫」と思ってしまいがちです。
2つ目は、どこで受けるか分からないこと。
予約、費用、紹介状の有無などが壁になります。
3つ目は、結果が怖いという気持ちです。
ただ、早期発見ほど治療の選択肢が広がりやすいのも事実です。
次に、注意点(デメリット)も知っておきましょう。
低線量CTは小さな影を見つけやすい分、
- がんではない影が見つかる
- 念のため追加検査が必要になる
といったことが起こりえます。
だからこそおすすめは、次の“3ステップ”です。
- ステップ1:喫煙歴をパックイヤーでメモする
- ステップ2:対象かどうかを医療機関で確認する
- ステップ3:受けるなら年1回など「続けられる形」を作る
「受けるか迷っている」段階でも、相談する価値があります。
検診は、受け方を整えるほど安心して続けやすくなります。
当院からのご案内
那覇市のシーサー通り内科リハビリクリニックでは、
肺がん検診に関するご相談に対応しています。
また、当院でも低線量CT(LDCT)検査を実施しています。
喫煙歴(パックイヤー)の整理から、適切な検査選択まで、
内科の視点で分かりやすくご案内します。
「自分は対象?」「どの検査がいい?」など、
気になることがあれば気軽にご相談ください。
引用・参考文献
1) Bandi P, et al. Lung Cancer Deaths Prevented and Life-Years Gained From Lung Cancer Screening.
JAMA. Published online Nov 19, 2025. doi:10.1001/jama.2025.19798
2) US Preventive Services Task Force. Screening for Lung Cancer.
JAMA. 2021;325(10):962-970. doi:10.1001/jama.2021.1117
