ブログ

脳神経内科頭痛

お腹まわりが片頭痛の原因に?肥満・内臓脂肪と頭痛リスクの最新エビデンス

【肥満は片頭痛を引き起こすのか?最新研究が示した「若年層の新しいリスク」】

肥満と片頭痛の関係については「太ると頭痛が悪化する」という話が知られていますが、「太っていると片頭痛が新しく起こりやすいのか」という点は、はっきりしていませんでした。
今回、韓国の若年成人を対象にした大規模研究(Neurology誌)が、この疑問に重要な回答を示しました。対象者はなんと約610万人。20~39歳という比較的若い層を平均7〜9年間追跡し、肥満度と片頭痛発症の関連を調べたものです。
本記事では、この最新研究のポイントを一般の方にもわかりやすく解説し、生活改善のヒントについても紹介します。

【1. 肥満と片頭痛は「用量依存」で関係する】

研究では、BMI(身長と体重から計算される体格指数)を5段階に分け、正常体重の人と比べて片頭痛発症リスクがどれくらい上がるかを解析しています。
結果は以下の通りでした。

・低体重:ほぼ変わらず
・過体重:リスク4.7%上昇
・ステージ1肥満:リスク8.7%上昇
・ステージ2肥満:リスク12.1%上昇

つまり、「太るほどリスクが上がる」= 用量依存的な関係 が確認されました。
リスク上昇は“劇的”ではありませんが、長期的には無視できない差です。若年層でも肥満が片頭痛の原因となりうることを示す重要なデータと言えます。

【2. BMIより重要?片頭痛と強く関連した「お腹まわり」】

研究で特に注目されたのが ウエスト周囲径(WC:お腹まわり) のデータです。
WCを6段階に分けて調べたところ、

・細いほど片頭痛リスクが低い
・太くなるほどリスクが上昇する

という関係が明確に現れました。
さらに驚くべき点は、 BMIを調整してもWCのリスクは“残る” のに対し、
WCで調整するとBMIの影響は弱くなる という結果です。

これは
「体重」よりも「内臓脂肪」のほうが片頭痛に強く影響している可能性が高い
ことを意味します。

なぜ腹部肥満で片頭痛が増えるのでしょうか?
考えられている理由は次の通りです。

・内臓脂肪が炎症物質(サイトカイン)を分泌し、脳の痛み感受性に影響する
・レプチンなどホルモンの変化が脳の血管反応を変える
・肥満に伴い睡眠時無呼吸症候群・高血圧・うつ症状が増える

これらが複合的に働き、片頭痛の発生や悪化につながると考えられています。

【3. 30歳未満でリスク強く―若い人ほど「お腹まわり」に注意】

今回の研究は20〜39歳の若年層が対象でしたが、
特に以下のグループで腹部肥満と片頭痛の関連がより強く出ました。

・30歳未満
・タバコを吸わない人
・飲酒量が多い人

「若いから大丈夫」と思いがちな年代ほど、生活習慣による内臓脂肪が片頭痛のきっかけになる可能性があります。

■ 今日からできる予防のポイント

片頭痛予防のためには、体重よりも ウエスト周囲径を意識する のが第一歩です。

・週150分の有酸素運動(早歩き・サイクリングなど)
・スクワットなどの軽い筋トレ
・夜更かしや飲みすぎを控える
・野菜・魚中心の食事で脂肪をためにくい体へ

これらは内臓脂肪を減らし、片頭痛予防にもつながる現実的な習慣です。

また、すでに片頭痛がある人でも、体重・お腹まわりを整えることで発作が軽くなるケースが多く見られます。
薬だけに頼らず、体づくりと生活習慣を一緒に整えることが非常に重要です。

【当院からのお知らせ】

那覇市・浦添市・沖縄県で
片頭痛・慢性頭痛・肥満・生活習慣病にお悩みの方へ。

シーサー通り内科リハビリクリニックでは、
片頭痛・慢性頭痛の専門診療に加え、
肥満・高血圧・糖尿病など生活習慣病の総合管理を行っています。

頭痛は、睡眠や食事、体重、血圧など
生活習慣と深く関係しています。

当院では、
頭痛治療(急性期治療・予防治療)だけでなく、
運動・睡眠・栄養を含めたオーダーメイドの生活改善支援を行い、
根本からの改善を目指します。

「頭痛も体重も気になる」
「お腹まわりが増えてきた」
「生活習慣を見直したい」

このようなお悩みがある方は、
早めのご相談をおすすめします。

那覇市・浦添市・沖縄県で
頭痛外来・生活習慣病管理・肥満対策をご希望の方は、
シーサー通り内科リハビリクリニックへ
お気軽にご相談ください。

【参考文献】

Jang SI, Kim N, Han K, Lee MJ.
Association Between Obesity and the Risk of Migraine: A Nationwide Cohort Study in South Korea.
Neurology. 2025;105(9):e214252.
DOI: 10.1212/WNL.0000000000214252
PubMed: https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/41086379/