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ワクチンと認知症の意外な関係:50歳から考えたい予防の話
認知症は、誰にとっても他人事ではありません。
年齢を重ねるほど、
「できる予防は何か」を知りたい方が増えています。
最近、運動や食事に加えて、
「ワクチン」が注目されるようになりました。
感染症を防ぐためのものが、
脳の健康にも関係するかもしれない、という話です。
この記事では、その内容を
できるだけ分かりやすく説明します。
【ワクチンと認知症:研究で分かったこと】
2025年に、複数の研究をまとめた報告が出ました。
これは「系統的レビュー」と呼ばれ、
多くの研究を集めて全体の流れを見る方法です。
対象は、50歳以上の人たちです。
ワクチンを受けた人と受けていない人で、
認知症のなりやすさを比べました。
その結果、
いくつかのワクチンで認知症が少ない傾向が見られました。
特に目立ったのは、帯状疱疹ワクチンです。
帯状疱疹ワクチンを受けた人では、
認知症全体のリスクが低い関連がありました。
アルツハイマー病でも、
同じ傾向が示されました。
インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンでも、
リスクが低い関連が報告されています。
ただし、
「ワクチンを打てば認知症にならない」
という意味ではありません。
あくまで「なりにくい人が多かった」という結果です。
【なぜワクチンが関係するの?】
理由の一つは、感染症と炎症です。
感染症にかかると、
体の中で強い炎症が起こります。
炎症は体を守る反応ですが、
高齢になると負担になりやすいです。
重い感染症は、
体力や認知機能を一気に落とすことがあります。
ワクチンは、
感染そのものや重症化を防ぐ役割があります。
その結果、
脳へのダメージを減らせる可能性があります。
もう一つは、免疫のバランスです。
年を取ると、
免疫が弱くなったり、暴走したりします。
ワクチンによって免疫が整うことで、
体の炎症が抑えられるかもしれません。
ただし、
これらは「考えられている仕組み」で、
確定した話ではありません。
今後の研究が必要な段階です。
【誤解しないでほしい大切な点】
ここはとても重要です。
ワクチンは、
認知症の治療薬ではありません。
受けたからといって、
必ず予防できるわけでもありません。
また、
ワクチンを受ける人は、
もともと健康に気をつけている人が多いです。
運動や通院をきちんとしている人ほど、
接種を受けやすい傾向があります。
その違いが、
結果に影響している可能性もあります。
だからこそ、
受け止め方はこう考えてください。
「ワクチンは、認知症予防の候補の一つ」。
まずは、
感染症から体を守ることが第一の目的です。
その上で、
脳の健康にも良い影響があるかもしれない、
という位置づけが現実的です。
【今からできる現実的な行動】
まずは、
自分が受けている予防接種を確認しましょう。
50歳を過ぎたら、
帯状疱疹ワクチンを考える時期です。
65歳以上では、
肺炎球菌ワクチンも重要になります。
インフルエンザは、
毎年の接種が基本です。
持病がある方は、
感染症で体調を崩しやすくなります。
副反応は心配ですが、
多くは数日でおさまります。
一方で、
体調や病歴によって注意が必要な場合もあります。
「自分は何を受けた方がいいのか」。
一度、
かかりつけ医に相談して整理するのがおすすめです。
予防接種は、
将来への静かな備えの一つです。
当院からのご案内
シーサー通り内科リハビリクリニックでは、
内科・脳神経内科・リハビリの視点から、
予防接種と脳の健康を一緒に考えています。
「どのワクチンが必要か分からない」
「物忘れも気になってきた」
そんな方は、
生活状況や持病をふまえて、
無理のない選択をお手伝いします。
引用・参考文献
- Maggi S, et al.
Association between vaccinations and risk of dementia: a systematic review and meta-analysis.
Age and Ageing. 2025.
DOI: 10.1093/ageing/afaf331
