ブログ
高血圧の目標値は120?140?高齢者の血圧管理を医師がわかりやすく解説
記事本文
高血圧の治療では、
「血圧はどこまで下げればよいのですか?」
という質問をよく受けます。
血圧が高いままだと、
脳卒中や心筋梗塞などの病気の危険が
高くなることが知られています。
そのため、血圧を下げることは
健康を守るうえでとても重要です。
しかし一方で、
特に高齢の方では
血圧を下げすぎることで
・ふらつき
・転倒
・立ちくらみ
が起こることもあります。
では実際に、
高血圧の治療では
どこまで血圧を下げるべきなのでしょうか。
今回は、医学雑誌NEJMで議論された
高血圧の目標血圧について
わかりやすく解説します。
【高血圧の目標値|120未満か140未満か】
高血圧の治療では、
主に**上の血圧(収縮期血圧)**を
目標にして治療を行います。
上の血圧とは、
心臓が血液を押し出すときの
血圧のことです。
今回のNEJMの議論では、
・120未満を目指すべきか
・140未満を目標にするべきか
がテーマになっています。
120未満を目指す考え方では、
血圧をより低く保つことで
・脳卒中
・心不全
・心筋梗塞
などの病気を減らせる可能性が
あるとされています。
実際、研究では
血圧をより厳しく管理した群で
・心血管イベントが約18%減少
・死亡率が約13%減少
したという結果も報告されています。
また、認知症の予防にも
役立つ可能性があると
考えられています。
【高齢者の高血圧|下げすぎのリスク】
一方で、血圧を下げすぎると
問題が起こる場合もあります。
特に高齢の方では
・立ち上がったときの血圧低下
・ふらつき
・転倒
などが起こることがあります。
この状態は
起立性低血圧と呼ばれます。
起立性低血圧とは、
立ち上がったときに
血圧が急に下がる状態です。
この症状があると、
転倒や骨折の原因になることもあります。
また、高齢の方では
血圧が低すぎると
・めまい
・疲れやすさ
・集中力低下
などが起こることもあります。
そのため、
高齢者の高血圧治療では
「できるだけ低く」ではなく
安全な範囲で血圧を下げることが
大切になります。
【高血圧治療のポイント|一人ひとり違う目標】
今回のNEJMの議論で
強調されているのは
血圧目標は人によって違う
ということです。
例えば
・心臓病の危険が高い人
・比較的若い人
では、120未満を目標にすることが
有効な場合があります。
一方で
・高齢の方
・転倒しやすい方
・立ちくらみがある方
では、140未満程度を目標にして
安全に治療することもあります。
また、血圧管理では
薬だけでなく生活習慣も大切です。
例えば
・塩分を減らす
・適度な運動
・体重管理
・睡眠改善
などは血圧を下げる効果があります。
さらに、家庭血圧を測ることも
とても重要です。
家庭血圧は、
診察室よりも
実際の血圧状態を
反映しやすいとされています。
高血圧治療では
「とにかく低くする」ではなく
その人にとって最適な血圧を
見つけることが大切です。
医師と相談しながら、
無理のない血圧管理を
続けていきましょう。
【当院からのお知らせ】
那覇市・浦添市・沖縄県で
高血圧・脂質異常症・糖尿病などの生活習慣病にお悩みの方へ。
シーサー通り内科リハビリクリニックでは、
高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病診療に力を入れ、
脳卒中予防の観点から血圧管理を特に重視しています。
診察室での血圧だけでなく、
家庭血圧(自宅での血圧測定)や、
ふらつき・転倒リスクなども含めて総合的に評価し、
患者さん一人ひとりに合った血圧目標を一緒に考えていきます。
「血圧が高いと言われた」
「薬を飲んでいるけれど本当に大丈夫か不安」
「ふらつきや立ちくらみも気になる」
このようなお悩みは、
早めの見直しと適切な管理が重要です。
那覇市・浦添市・沖縄県で
高血圧治療・家庭血圧管理・脳卒中予防・生活習慣病管理をご希望の方は、
シーサー通り内科リハビリクリニックへ
お気軽にご相談ください。
参考文献
Kotanidis CP.
A Man with Hypertension.
N Engl J Med. 2026.
https://doi.org/10.1056/NEJMclde2505268
Whelton PK.
Target a Systolic Blood Pressure of Less Than 120 mm Hg.
N Engl J Med. 2026.
Wright CB.
Target a Systolic Blood Pressure of Less Than 140 mm Hg.
N Engl J Med. 2026.
