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亜鉛不足で物忘れが進む?認知症との関係と今日からできる対策を沖縄県那覇市の認知症専門医が解説
最近、「物忘れ」と栄養の関係が注目されています。
中でも話題になっているのが「亜鉛不足」です。
亜鉛は体に必要なミネラルで、量は少なくても重要な役割があります。
味覚や免疫だけでなく、脳の働きにも深く関係しています。
この記事では、亜鉛不足と認知症の関係を、
できるだけ分かりやすく解説します。
【亜鉛不足と認知症の関係が注目される理由】
近年の研究で、血液中の亜鉛が低い人は、
認知症を発症しやすいことが分かってきました。
50歳以上の多くの人を対象に、
血清亜鉛と認知症の発症を調べた研究があります。
その結果、亜鉛が不足している人は、
不足していない人より認知症になる割合が高めでした。
特に、亜鉛の値がかなり低い人ほど、
リスクが高くなる傾向が確認されています。
この研究は人数が非常に多く、
結果の信頼性が高い点が特徴です。
ただし、「亜鉛不足が直接の原因」と
断定できるわけではありません。
それでも、脳の健康を考えるうえで、
見逃せない要素と考えられています。
【なぜ亜鉛が脳に大切なの?】
亜鉛は、脳の神経細胞が情報をやり取りする際に使われます。
神経同士の連絡がスムーズに行われることで、
記憶や判断力が保たれます。
また、亜鉛には「炎症を抑える」働きがあります。
脳の中で炎症が続くと、
神経細胞が傷つきやすくなります。
さらに、亜鉛は「酸化ストレス」から体を守ります。
酸化ストレスとは、体がサビるような状態のことです。
これが強いと、老化や病気が進みやすくなります。
亜鉛不足では、脳を守るバリア機能も弱くなると考えられています。
こうした理由から、亜鉛不足は
脳の老化と関係すると考えられているのです。
【亜鉛不足を防ぐためにできること】
まず大切なのは、毎日の食事です。
亜鉛は、牡蠣、赤身肉、卵、チーズ、豆類などに多く含まれます。
毎日完璧を目指す必要はありません。
「週に何回か意識して食べる」だけでも違います。
亜鉛不足のサインとして、
味が分かりにくい、口内炎が続く、
食欲が落ちるなどがあります。
ただし、これらは他の原因でも起こります。
気になる場合は、血液検査で確認するのが安心です。
サプリメントは便利ですが、
自己判断での大量摂取はおすすめできません。
摂りすぎると、別のミネラル不足や
胃腸の不調を起こすことがあります。
持病がある方や高齢の方は、
必ず医師に相談してから使いましょう。
亜鉛は、認知症予防の「一部」にすぎません。
運動、睡眠、血圧管理とあわせて、
総合的に整えることが大切です。
当院からのご案内
シーサー通り内科リハビリクリニックでは、
一般内科・脳神経内科・リハビリの立場から、
物忘れや脳の健康に関するご相談を行っています。
血液検査や生活習慣を確認し、
必要に応じて無理のない改善をご提案します。
「最近少し気になる」という段階でも、
どうぞお気軽にご相談ください。
引用・参考文献
- Huang S-H, et al.
Association of zinc deficiency and risk of new-onset dementia: a retrospective cohort study.
Frontiers in Nutrition. 2025.
DOI: 10.3389/fnut.2025.1666887
