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脳神経内科

足先のしびれやピリピリが続く…それ“末梢神経障害”かも?原因と治療法まとめ

しびれ・痛みの原因となる“末梢神経障害”の診断と治療

【末梢神経障害とは:しびれ・痛みの代表的な原因】
手足のしびれやピリッと走る痛みは、多くの方が経験する症状です。
その代表的な原因のひとつが「末梢神経障害」です。

末梢神経とは、脳と脊髄から全身に伸びる細い神経のことです。
ここが傷つくと、感覚や運動、さらには自律神経の働きまで乱れます。

最初は「足の指がなんとなくしびれる」「熱さがわかりにくい」など、
軽い違和感から始まり、徐々に症状が広がることが特徴です。

中でも最も多いタイプは「長さ依存性末梢神経障害」と呼ばれます。
これは神経の中でも特に長い“足の先の神経”から症状が出る状態です。

原因は200種類以上あると言われますが、代表は糖尿病、アルコール、
ビタミン不足、薬の副作用、遺伝性の神経障害など多岐にわたります。

糖尿病は世界で2億人以上が合併するとされ、最も多い原因の一つです。
また、抗がん剤治療やビタミンB12不足もよく見られる原因です。

発症の背景には、高血糖や炎症、血流障害、神経細胞の代謝障害など、
複数のメカニズムが関わることがわかっています。

【診断:問診・神経診察・血液検査で原因を絞り込む】
診断で最も大切なのは、症状の出かたを丁寧に評価することです。
特に「左右対称か」「足の指から始まったか」は大きなポイントです。

しびれや痛みが“足の先からゆっくり上へ”広がる場合、
長さ依存性の末梢神経障害が疑われます。

一方で、片側だけのしびれや急に進行する麻痺がある場合は、
他の病気の可能性があり、早めの精密検査が必要です。

診察では、触覚、温度感覚、振動覚をチェックして障害の範囲を確認。
アキレス腱反射が弱くなることも、典型的な所見です。

血液検査では、糖尿病、ビタミンB12、甲状腺、
そして“単クローン性ガンマパチー”と呼ばれる異常タンパクの有無を調べます。

これだけで多くの原因が特定でき、追加の検査が不要なことも多いです。
もし症状が典型的であれば、電気診断(神経伝導検査)を省略する場合もあります。

ただし症状が非典型的な場合や、進行が速い・左右非対称のときは、
神経伝導検査で“軸索型”か“脱髄型”かを確認することが重要です。

さらに、小さな痛覚神経の障害が疑われる場合には皮膚生検を行い、
「表皮内神経線維密度」を測定することで診断につながります。

薬やサプリによる神経障害も見逃せません。特に抗がん剤、
ビタミンB6の過剰摂取、アルコールはよく知られた原因です。

【治療:原因の是正と症状ケアの2本柱】
治療の第一歩は「原因を正しく見つけること」です。
糖尿病であれば血糖管理、ビタミン不足なら補充が必要です。

また、アルコールが原因の場合は減酒・禁酒が不可欠で、
薬剤性の場合は投薬内容の見直しが必要になります。

しかし、原因を治療しても完全に元に戻らないことが多く、
“症状を和らげる治療”も同時に行います。

しびれ・痛み(神経障害性疼痛)には、ガバペンチン、プレガバリン、
デュロキセチン、アミトリプチリンなどが第一選択になります。

これらは「痛みを感じる神経の興奮を抑える薬」で、
半数ほどの患者さんで痛みが軽減すると報告されています。

湿布のように使える“カプサイシンテープ”や“リドカインパッチ”も有効で、
副作用が少ないため高齢者にも使いやすい治療です。

痛みが強く日常生活に影響がある場合には、
ペインクリニックでの神経ブロックや脊髄刺激療法も選択肢になります。

しびれによる足の感覚低下は、やけど・けがの原因になります。
毎日の足チェック、靴選び、外傷予防がとても重要です。

歩行が不安定になる場合はリハビリテーションが大きな助けになります。
特にバランストレーニングは、転倒予防に直結する重要なアプローチです。

遺伝性の神経障害やアミロイドーシスでは、近年、新しい薬物治療が次々と登場し効果が報告されています。

原因が多様だからこそ、“自己判断せず専門医に相談する”ことが、
最も確実で安全な改善への近道です。

参考文献  Mauermann ML, Staff NP. Peripheral Neuropathy: A Review. JAMA. 2025.

当院からのお知らせ

シーサー通り内科リハビリクリニック(那覇市)では、
しびれ・痛みの専門的評価(神経診察・血液検査・画像・超音波)、
糖尿病性神経障害の管理、リハビリ、薬物治療
まで総合的に対応しています。

「しびれが続く」「足の感覚がおかしい」「抗がん剤後の痛みがつらい」など、
どんな小さな症状でもお気軽にご相談ください。