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脳神経内科認知症

転倒と認知症の深い関係|早期発見のポイントを沖縄県那覇市の認知症専門医がわかりやすく解説

転倒は認知症のサインかも?

見逃してはいけない重要な変化

「最近よくつまずくようになった」
「前より歩くのが不安定になった」
このような変化はありませんか。

多くの方は、加齢による筋力低下や
足腰の衰えが原因だと考えがちです。

もちろんそれも大切な要因ですが、
実はそれだけではありません。

最近の研究では、
転倒が認知症の早期サインである可能性
注目されています。

つまり、「転びやすさ」は
体だけでなく脳の変化のサインかもしれないのです。

【転倒と認知症リスクの関係】

2025年に報告された大規模研究では、
転倒した人は、その後に認知症を発症するリスクが
高いことが明らかになりました。

この研究は、イギリスと中国の複数の集団、
合計数十万人を対象にした信頼性の高いものです。

結果はとてもシンプルです。

・1回転倒した人 → 認知症リスク 約1.2倍
・複数回転倒した人 → 認知症リスク 約1.7倍

つまり、転倒の回数が増えるほどリスクも上がる
ということがわかりました。

「一度転んだだけだから大丈夫」と
軽く考えないことが重要です。

特に、
・何度も転ぶ
・よくふらつく
・バランスが悪くなった
こうした変化は、注意が必要なサインです。

【転倒の背景にある“脳の変化”】【】

では、なぜ転倒と認知症が関係するのでしょうか。

その理由は、
歩く・バランスをとる機能と脳は密接につながっている
からです。

今回の研究では、転倒した人の脳を調べると、
記憶に関係する「海馬」という部分が小さくなり、
脳の神経の通り道が傷んでいることが分かりました。

海馬とは、
新しいことを覚えるために重要な場所です。

また、脳の白質という部分の異常は、
情報の伝達を遅くし、
判断力や反応の低下につながります。

その結果、
・足の動きが遅れる
・バランスを保てない
・とっさの判断ができない
といった状態になり、転倒しやすくなります。

つまり転倒は、
筋力の問題だけでなく、脳の機能低下の現れ
とも言えるのです。

さらに、転倒した人では、
記憶力や考える力の低下も確認されており、
すでに認知機能の変化が始まっている可能性があります。

【転倒をきっかけにできる対策】

ここで大切なのは、
「転倒=終わり」ではなく、
転倒をきっかけに対策を始めることです。

以下のポイントが重要です。

① 早めに医療機関へ相談
転倒を繰り返す場合は、
脳や神経の病気が隠れていないか確認が必要です。

② 歩行・バランスの評価
歩き方や姿勢の変化は、
認知症の初期から現れることがあります。

③ 生活習慣の見直し
高血圧、糖尿病、脂質異常症などは
認知症のリスクを高めます。

④ リハビリと運動
筋力だけでなく、バランスや反応速度を
改善することが重要です。

⑤ 認知機能のチェック
簡単な検査で、早期の変化を見つけることができます。

転倒は「偶然」ではなく、
体と脳からの大切なサインです。

これを見逃さずに行動することで、
将来の認知症リスクを下げることにつながります。

まとめ

今回の研究からわかることは、
とても重要です。

・転倒は認知症リスクと関係している
・回数が多いほどリスクが高い
・脳の変化が背景にある可能性
・早めの対応が予防につながる

つまり、
「転びやすくなった」という変化は、
単なる老化ではなく、
早期発見のチャンスとも言えます。

気になる症状がある場合は、
早めに専門医へ相談することが大切です。

当院からのお知らせ

那覇市・浦添市・沖縄県で、転倒、ふらつき、物忘れ、
認知症が心配な方は、シーサー通り内科リハビリクリニックへご相談ください。

当院では、内科・脳神経内科・リハビリの専門医が、
転倒の原因評価、認知機能の検査、
脳卒中や神経疾患のチェック、リハビリまで
一貫して対応しています。

「最近転びやすい」
「歩き方が変わった」
「物忘れも気になる」

そのような方は、
早めの受診が将来を守る第一歩になります。

引用

Li A, Zhou S, Chang J, et al.
Association between falls and dementia risk: Evidence from three cohort studies.
Journal of Translational Internal Medicine. 2025;13(6):568-579.
https://doi.org/10.1515/jtim-2025-0057