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運動中のエネルギー補給のコツ|糖質と低血糖の関係をやさしく解説
運動中の糖質補給はなぜ大切?
バテない体をつくるための基本知識
運動中の補給について、
「糖質はしっかり取ったほうがよい」と
聞いたことがある方は多いと思います。
糖質は体を動かすためのエネルギー源で、
特に長時間の運動では重要な役割を持ちます。
しかし最近では、
糖質の役割は「筋肉のため」だけではなく、
もっと広い意味があると分かってきました。
ポイントは、
血糖を保つことがとても大切という点です。
ここでは、運動中の糖質補給について、
3つのポイントに分けてわかりやすく解説します。
【運動中の糖質補給と低血糖|まず防ぐべきは血糖の低下】
長時間の運動では、体の中のエネルギーが
少しずつ減っていきます。
その中でも特に重要なのが、
**血糖(血液の中のブドウ糖)**です。
ブドウ糖は、脳にとって唯一に近い
大切なエネルギー源です。
血糖が下がりすぎると、
・ふらつき
・集中力の低下
・強い疲労感
などが起こりやすくなります。
いわゆる「ガス欠」状態です。
これまでは、運動でバテる原因は
筋肉のエネルギー切れと考えられてきました。
しかし最近の研究では、
血糖の低下(低血糖)も大きく関係する
と考えられるようになっています。
つまり、糖質補給の目的は、
筋肉のためだけではありません。
脳と体を守るために血糖を保つことが、
とても重要なのです。
特に2時間以上の運動では、
この血糖維持の意味がより大きくなります。
【持久力と糖質|筋肉だけでなく肝臓の役割も重要】
体の中では、糖質は
「グリコーゲン」という形で蓄えられています。
これは筋肉と肝臓にためられています。
これまでの考え方では、
筋肉のグリコーゲンが減ると
パフォーマンスが落ちるとされてきました。
もちろんこれは正しい考え方です。
しかし最近では、
肝臓の働きもとても重要とされています。
肝臓は、血糖を一定に保つ役割があります。
運動が長くなると、
肝臓のグリコーゲンが使われていきます。
この肝臓のエネルギーが不足すると、
血糖が下がりやすくなります。
つまり、持久力を保つためには、
筋肉だけでなく、
血糖を保つ仕組み全体が大切なのです。
そのため運動中の補給は、
筋肉へのエネルギー補給というよりも、
体全体のバランスを保つためのもの
と考えると理解しやすくなります。
これはマラソンや登山、サイクリングなど、
長時間の運動をする方にとても重要な考え方です。
【糖質はどれくらい必要?|多すぎなくても効果はある】
では、糖質はたくさん取ればよいのでしょうか。
実はそう単純ではありません。
最近の研究では、
糖質を多く取れば取るほど
成績が良くなるわけではないとされています。
むしろ重要なのは、
血糖を下げないことです。
そのため、必ずしも大量の糖質は必要なく、
比較的少ない量でも効果がある可能性があります。
目安としては、
1時間あたり15〜30g程度の糖質でも
役立つと考えられています。
例えば、
・スポーツドリンク
・ゼリー飲料
・エネルギージェル
などがこれにあたります。
さらに、運動の強さや時間によっては、
もっと少ない量でも十分な場合があります。
大切なのは、
「どれだけ取るか」ではなく、
自分に合った量で血糖を保つことです。
また、取りすぎると
胃腸の不調につながることもあるため、
無理のない補給が重要です。
まとめ
運動中の糖質補給は、
単なるエネルギー補給ではありません。
大きな目的は、
血糖を保ち、体と脳の働きを維持することです。
そのため、
・長時間運動では補給が重要
・肝臓と血糖の働きも大切
・少量でも効果がある
という点を理解しておくことが大切です。
「とにかくたくさん取る」ではなく、
自分に合った補給を見つけることが、
パフォーマンス向上のポイントになります。
運動を安全に、そして楽しく続けるために、
補給も大切な準備のひとつとして考えてみてください。
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引用・参考文献
Noakes TD, Prins PJ, Buga A, D’Agostino DP, Volek JS, Koutnik AP.
Carbohydrate Ingestion on Exercise Metabolism and Physical Performance.
Endocrine Reviews. 2026;47(2):191-243.
DOI: 10.1210/endrev/bnaf038.
