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脳神経内科頭痛

TACs(群発頭痛・SUNCTなど)を徹底解説!見逃されやすい頭痛に注意

TACsとは?見逃されやすい片側性の激痛性頭痛

「TACs(Trigeminal Autonomic Cephalgias)」とは、三叉神経痛と自律神経症状を伴う激しい片側性頭痛のグループです。代表的なものには次の4つがあります:

  • 群発頭痛(Cluster Headache)
  • 発作性片側頭痛(Paroxysmal Hemicrania)
  • SUNCT症候群(結膜充血と流涙を伴う短時間の頭痛)
  • 持続性片側頭痛(Hemicrania Continua)

これらは似たような症状を示しながらも、それぞれに異なる治療法や特徴があるため、正確な診断がとても重要です。

TACsの典型的な症状は「目の奥やこめかみの激しい痛み」に加え、「涙・鼻水・瞳孔の変化」などの自律神経症状です。痛みは片側で起こり、しばしば毎日同じ時間に発生し、生活の質を大きく損ないます。

TACsの原因とメカニズム:なぜ起こるのか?

TACsの頭痛は、以下の3つの要素が関与していると考えられています:

●三叉神経-血管系の異常

三叉神経と頭部の血管との相互作用(三叉神経血管系)が痛みを引き起こします。この過程で、CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)やVIP(血管作動性腸管ペプチド)といった神経伝達物質が関与し、炎症や血管拡張を招きます。

●視床下部(生体リズム)の関与

群発頭痛などでは一定の時間帯(夜間・季節)に発作が集中することがあり、これは脳内の視床下部が関与していると考えられています。視床下部は睡眠やホルモンの調整を行う「体内時計」の司令塔です。

●自律神経反射の異常

三叉神経が過剰に刺激されると、反射的に副交感神経が活性化し、涙や鼻水、顔の赤みなどの症状を引き起こします。この現象を「三叉神経―副交感神経反射」と呼びます。

代表的なTACsの症状と治療法

ここでは、TACsの中でも特に重要な3つの疾患について、簡潔に紹介します。

群発頭痛(Cluster Headache)

  • 目の奥の激痛(えぐられるような痛み)
  • 発作は15〜180分、毎日決まった時間に出現
  • 涙、鼻水、まぶたの下垂などの自律神経症状が強い
  • 治療:酸素吸入、スマトリプタン注射、予防薬(ベラパミル)など

発作性片側頭痛(Paroxysmal Hemicrania)

  • 目の周囲の短い激痛(2〜30分)を1日に5回以上繰り返す
  • 女性に多く、首の動きなどで誘発されることも
  • 治療:インドメタシン(非ステロイド薬)に劇的に反応

SUNCT症候群

  • 極めて短時間(数秒〜数分)の電撃痛
  • 発作中に目が真っ赤になり、涙が止まらない
  • 光やタッチなどの軽い刺激でも誘発
  • 治療:ラモトリギンやガバペンチンなどの抗てんかん薬

まとめ:診断と治療のカギは“正しい見極め”

TACsは稀な疾患とされながらも、実際には**「群発頭痛」として歯科や耳鼻科を受診されることも多く、診断に時間がかかる**ケースが少なくありません。

片側の激しい頭痛に加えて、涙や鼻水といった症状がある場合、「片頭痛」や「緊張型頭痛」とは異なる病気の可能性を疑いましょう。

TACsの多くは、特定の薬に対する明確な反応が診断の手がかりになります。たとえば、インドメタシンで症状が完全に消失すれば、発作性片側頭痛や持続性片側頭痛が強く疑われます。

【参考文献】

  • Benoliel R. Trigeminal autonomic cephalgias. Br J Pain. 2012;6(3):106–123.
  • Goadsby PJ, et al. Lancet Neurol. 2009;8(8):755–764.
  • The International Headache Society: https://ihs-headache.org

当院ではこのような頭痛の診断と治療が可能です

那覇市のシーサー通り内科リハビリクリニックでは、
✔ 頭痛専門医による頭痛の詳しい診断
✔ 群発頭痛やSUNCTなどの稀な頭痛にも対応
✔ 最新の画像検査(CT・MRI)と血管評価
✔ インドメタシンやスマトリプタン、リハビリとの併用療法

などを提供しております。**「いつもと違う頭痛」「目の奥が痛む」**と感じたら、ぜひお気軽にご相談ください。

(監修:総合内科専門医・神経内科専門医・認知症専門医・動脈硬化専門医)
本記事の内容は、信頼できる医学論文をもとに構成されており、医学的正確性を保証します。