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アルツハイマー型認知症とは?症状・原因・治療法をやさしく解説
アルツハイマー型認知症の特徴とは?
アルツハイマー型認知症は、日本で最も多い認知症のタイプで、全体の約60〜70%を占めます。ゆっくりと記憶力が低下していくのが特徴で、最初は「物忘れがひどくなった」と感じる程度でも、徐々に日常生活に支障をきたすようになります。
脳の中では、「アミロイドβ」と「タウ」という異常なたんぱく質が蓄積し、神経細胞がダメージを受けていきます。これが、記憶をつかさどる「海馬」や、大脳皮質の萎縮(いしゅく)につながり、症状を引き起こします。
発症年齢は65歳以上の高齢者が多いですが、40〜50代で発症する「若年性アルツハイマー病」もあります。遺伝的要因が関与することもあり、家族内に複数の発症者がいる場合には、特に注意が必要です。
気づくために大切な「初期症状」と診断の流れ
アルツハイマー病は、早期に気づくことがとても重要です。以下のような症状がみられたら、専門医への相談をおすすめします。
- 新しいことが覚えられない(記銘障害)
- 同じ話を何度も繰り返す
- 財布や鍵など物をよくなくす
- 日付や場所の感覚があいまいになる
- 簡単な計算や料理の段取りができない
- 人や言葉がうまく出てこない
診断には問診、認知機能検査(MMSEなど)のほか、MRIやSPECTによる脳画像検査、血液検査、脳脊髄液検査、アミロイドPETなどが使われます。
また、アミロイドやタウたんぱく質の蓄積を示すバイオマーカー検査も、早期診断に活用されています。これにより、まだ症状が出ていない段階でも「生物学的アルツハイマー病」の状態を検出できる可能性があります。
治療と予防の最新情報
現在、アルツハイマー病を完全に治す治療法はありませんが、進行を遅らせる薬や対処法が登場しています。
薬物療法
- アリセプトなどのコリンエステラーゼ阻害薬
- メマンチンなどのNMDA受容体拮抗薬
- レカネマブやドナネマブなど、アミロイドβをターゲットとした疾患修飾薬(DMT)
特にレカネマブは、早期アルツハイマー病の進行を約30%抑制すると報告され、QOLの維持や介護者負担軽減にもつながる可能性が示されています。
非薬物療法
- 有酸素運動や筋トレによって認知機能の低下リスクを軽減(中〜高強度の身体活動で最大約30〜40%リスク低下)
- 光療法で睡眠や精神症状を改善するエビデンスも増加中
- **脳深部刺激療法(DBS)**などの研究も進行しています
■ 予防のポイント
- 十分な睡眠:睡眠中にアミロイドβやタウを脳から排出
- 食事管理:地中海食などが有効
- 社会交流や趣味の継続も脳に良い刺激となります
- 家族歴がある場合は、定期的な脳機能チェックを検討しても良いでしょう
まとめ
アルツハイマー型認知症は、早期の発見・介入で進行を緩やかにできる病気です。ご家族やご自身に気になる変化があれば、専門機関に相談しましょう。最近は、AIや画像技術の進歩により、早期診断・治療が可能になりつつあります。
【引用・参考文献】
- Matsushita M, et al. PLoS One. 2018;13:e0197468
- Aguzzoli C, et al. JAMA Netw Open. 2023;6:e2328372
- Zhang X, et al. Ageing Res Rev. 2023;92:102127
- Cohen S, et al. J Prev Alzheimers Dis. 2023;10:771–777
- Jia J, et al. N Engl J Med. 2024;390:712–722
- Terao I, et al. Ageing Res Rev. 2024;94:102203
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シーサー通り内科リハビリクリニック(那覇市)では、最新の画像診断(CT)や認知症スクリーニング(認知機能検査)を実施しています。必要であれば頭部MRI検査、脳血流シンチやアミロイドPET検査(県外)を連携先の医療機関に依頼致します。
また、専門医による診療に加え、リハビリスタッフと連携しながら「できることを増やす」アプローチを行っています。お気軽にご相談ください。
