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レビー小体型認知症とは?アルツハイマー病との違いと早期発見のポイント
レビー小体型認知症とは?特徴とアルツハイマー病との違い
レビー小体型認知症(DLB)は、日本人に多い認知症の一つで、アルツハイマー病に次いで2番目に多いタイプです。
DLBの特徴は、単なる「物忘れ」だけでなく、以下のような多様な症状が同時に現れることです。
- 幻視:いないはずの人や動物が見える
- 認知機能のゆらぎ:しっかりしている時と混乱している時が日によって異なる
- パーキンソン症状:手足の震え、筋肉のこわばり、歩行の遅さ
- レム睡眠行動障害:寝ている間に叫んだり暴れたりする
DLBでは、脳の中に「レビー小体」と呼ばれる異常なたんぱく質(αシヌクレイン)がたまり、神経細胞にダメージを与えることが原因とされています。
特に幻視は80%以上の方にみられ、「いないはずの子どもにご飯を作った」といったリアルな幻覚が特徴です。
アルツハイマー病と違い、記憶障害が初期には目立たないことも多く、家族が「最近、なんとなく変」と気づくことが診断のきっかけになります。
気づくための症状チェックと診断の流れ
DLBは進行が早く、転倒や誤薬などのリスクも高いため、早めの対応が重要です。
以下のような症状に心当たりがあれば、専門医の受診をおすすめします。
- 見えないものが見える(幻視)
- しっかりしている時と混乱している時の差が激しい
- 夜間に夢の中の動きで暴れる
- 歩行が遅くなった、よく転ぶ
- 急にぼーっとして反応が鈍くなる
診断には、以下のような検査が行われます。
- 問診・認知機能検査(MMSEなど)
- 画像検査(MRI、SPECT、PETなど)
- DATスキャン(脳内ドパミンの量を見る)
- 心筋MIBGシンチ(自律神経の働きの検査)
- 睡眠検査(ポリソムノグラフィー)
特にDATスキャンとMIBGシンチはDLBに特徴的な異常が見られることが多く、診断に役立ちます。
治療とケア:薬と日常生活のサポート
DLBの治療は、症状に応じた多面的な対応が必要です。
薬物療法
- ドネペジルなどのコリンエステラーゼ阻害薬:認知機能改善に有効
- L-DOPA製剤:パーキンソン症状の軽減に効果があるが、副作用に注意
- メマンチン:精神症状が強い場合に併用することもあります
なお、DLBでは抗精神病薬に対して重篤な副作用が出ることがあるため、使用には細心の注意が必要です。
睡眠と精神症状への対応
- クロナゼパムやロゼレム:夜間のレム睡眠行動異常に有効
- 不安や抑うつ:必要に応じて抗うつ薬や抗不安薬を使用しますが、専門医の指示が必要です
日常生活でのサポート
- 転倒予防:段差をなくす、杖や手すりを活用
- 生活リズムの安定:朝の光を浴びる、昼夜逆転の防止
- 介護者の支援:幻視や妄想への対応法を学ぶことが大切です
まとめ
レビー小体型認知症は、多様な症状が組み合わさる複雑な病気ですが、早期に気づき、正しい診断と治療を受けることで、生活の質を保つことが可能です。
「最近、何か変だな?」という違和感を大切にし、幻視や動きの変化があれば、迷わず専門医にご相談ください。
【引用・参考文献】
- McKeith IG, et al. Neurology. 2017;89:88–100.
- Fei M, et al. Front Neurol. 2022;13:1024995.
- Hart AR, et al. Neurology. 2024;103:e209570.
- 脳神経疾患治療ガイドライン作成委員会:「認知症疾患治療ガイドライン 2017」
- 鷹野敦夫. Journal of Alzheimer’s Disease. 2023, 2024各年報告より
当院のご案内
那覇市の「シーサー通り内科リハビリクリニック」では、レビー小体型認知症を含む多様な認知症の診断と治療を行っています。
当院では頭部CT検査と認知機能評価を早急に実施し、必要があれば頭部MRI、脳血流シンチ、心筋MIBGシンチ・DATスキャンを連携先の医療機関に依頼します。薬物療法だけでなく、運動療法や生活支援も取り入れています。
認知症専門医による診察を希望される方は、お気軽にご相談ください。
