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心筋梗塞の予防に期待!高リスク患者で注目のコレステロール低下薬
【LDLコレステロールを30%下げる?新薬「オビセトラピブ」に注目】
【はじめに】
心筋梗塞や脳卒中などの動脈硬化性疾患を防ぐには、悪玉コレステロール(LDL)をどれだけ下げられるかが重要です。
2025年5月に『New England Journal of Medicine』に掲載された国際共同研究では、新しいタイプのコレステロール低下薬「オビセトラピブ(obicetrapib)」が、LDLコレステロールを平均約30%も下げる効果を示しました。
今回は、この研究のポイントを3つの視点でわかりやすくご紹介します。
【オビセトラピブとは?〜新しい作用機序のコレステロール低下薬〜】
オビセトラピブは、「CETP阻害薬(コレステリルエステル転送タンパク阻害薬)」に分類される新薬です。
CETPは、血液中のコレステロールをHDL(善玉)からLDL(悪玉)に移す役割を持つたんぱく質で、これを阻害することでLDLコレステロールを減らし、HDLコレステロールを増やす可能性があります。
これまでCETP阻害薬は副作用や効果不十分のため実用化が進みませんでしたが、オビセトラピブは選択性が高く、低用量でもしっかり作用すると期待されています。
【研究の概要:対象・投与・評価ポイント】
この研究(BROADWAY試験)は、心血管リスクの高い2,530名の患者を対象に行われました。参加者の条件は以下の通りです:
- 家族性高コレステロール血症または動脈硬化性心血管疾患の既往あり
- すでに最大量のスタチンなどの脂質低下療法を受けている
- それでもLDLコレステロールが高値(100 mg/dL以上など)
対象者は、**オビセトラピブ10mgを1日1回内服する群(2/3)**と、**プラセボ(偽薬)群(1/3)**に無作為に分けられ、84日後のLDL値の変化が主な評価ポイントとされました。
【結果と安全性:LDLを30%低下、副作用の頻度は同等】
試験結果によれば、オビセトラピブ群ではLDLコレステロールが平均29.9%低下し、プラセボ群との差は32.6ポイントと明確な差がつきました(P<0.001)。
この効果は、従来の薬剤で目標値に届かなかった患者にとって非常に魅力的です。
また、副作用の頻度はプラセボ群とほぼ同等であり、安全性にも大きな問題は見られませんでした。
【まとめ:今後の動向と臨床応用に期待】
今回の研究で示されたように、オビセトラピブは「最大限の治療をしてもLDLが下がりきらない」患者に対する新たな選択肢となる可能性があります。
すでにスタチンやエゼチミブを服用中の方でも、追加投与でさらなるリスク低減が期待できます。
今後、心血管イベント(心筋梗塞や脳梗塞)の抑制効果を検証する大規模試験の結果が待たれますが、高リスク患者における次世代治療の候補薬として非常に注目されています。
【参考文献】
Nicholls SJ, et al. Safety and Efficacy of Obicetrapib in Patients at High Cardiovascular Risk. N Engl J Med. 2025 May 7. doi: 10.1056/NEJMoa2415820. Online ahead of print.
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2415820
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