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一般内科生活習慣病(高血圧・糖尿病など)

じゃがいもと糖尿病リスクの真実|フライドポテト・白米・全粒穀物の置き換え効果

【研究のポイント|最新BMJ研究をやさしく要約】
最新の大規模コホート研究は、じゃがいもと糖尿病の関係を総摂取量の影響、調理法の違い、置き換え効果の3視点で検討しました。米国の三つの前向きコホートを統合し、約20万人を長期追跡。主要評価は2型糖尿病の発症で、体格や生活習慣も調整しています。

結果は明確でした。総ポテト摂取が週3食分増えるごとに糖尿病発症率は約5%上昇。一方、フライドポテトは20%上昇でした。日常の食事量変化に沿った実感的な数値で、予防策を考える重要な材料です。

調理法の違いも重要です。ベイクド・ボイルド・マッシュなどの非フライは糖尿病との関連なし。つまり、揚げるかどうかが分岐点となります。

【じゃがいもと糖尿病|誤解をほどく基礎知識】
じゃがいもは野菜ですが、でんぷんが多く血糖を上げやすい食品です。ただしビタミンC、カリウム、食物繊維も含み、栄養自体は悪者ではありません。問題は調理法・食べ合わせ・置き換え先です。

総ポテトの多食はリスク増につながりますが、その多くはフライドポテトが原因です。頻回摂取で27%発症率増という解析もあり、油・塩・衣・甘い飲料との組み合わせが体重増加や代謝悪化を介してリスクを押し上げます。

体格指数(BMI)はフライドポテトと糖尿病を結ぶ主要な仲介因子でした。BMIを調整から外すと、リスクはさらに大きくなりました。つまり揚げいも習慣→体重増→糖尿病リスク上昇という流れです。

一方、非フライのじゃがいもはほぼ中立で、週5回以上でも大きな差はなし。非フライ調理は油や塩分の負荷を抑えます。

【主食の置き換え戦略|全粒穀物で賢く下げる】
重要なのは**「何を減らし、何に置き換えるか」です。ポテト3食分/週を全粒穀物に置き換えると、糖尿病発症率は総ポテトで約8%低下、非フライで4%低下、フライドポテトでは19%低下**と推定されました。

メタ解析でも同様で、ポテト3食分増で総ポテトは3%、フライは16%のリスク増。一方、白米への置き換えはリスク増加と関連しました。

全粒穀物とは外皮や胚芽を残した精製していない穀物で、食物繊維やビタミンが豊富。食後血糖の上昇を穏やかにし、炎症や酸化ストレスを抑える働きがあります。

ただし全粒穀物でも食品により栄養は異なり、玄米は小麦全粒より食物繊維が少ないため、多様な全粒食品を組み合わせることが推奨されます。

実践法としては、揚げいもの頻度を減らし、蒸す・茹でる・焼く調理に変える。さらに押し麦ごはん・全粒パン・蕎麦などへ置き換える。味付けと飲み物は砂糖・塩を控えめに。

体重管理も重要です。フライドポテトは嗜好性が高く過食になりやすい食品です。野菜や豆を先に食べ、主食はよく噛んで量を整える。食事記録で習慣を見直すことも有効です。

観察研究のため因果関係は断定できませんが、三コホートの結果とメタ解析の一貫性は高く、結論の方向性は信頼できます。

じゃがいもを完全に避ける必要はなく、調理法と置き換え先を工夫すれば予防と美味しさの両立が可能です。

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引用文献
Mousavi SM, Gu X, Imamura F, et al. Total and specific potato intake and risk of type 2 diabetes: BMJ. 2025;390:e082121. doi:10.1136/bmj-2024-082121