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一般内科循環器

心停止は曜日で変わる?休日に増える理由と予防のポイント

【はじめに】

心停止(OHCA:院外心停止)は突然起こり、命を脅かす重大な病気です。
最近の大規模研究では、心停止が起きやすい曜日や祝日があることが明らかになりました。
本記事では、その研究結果と原因の背景、そして私たちができる予防策について、わかりやすく解説します。

【研究のポイント:月曜・日曜・祝日に心停止が増える】

韓国の全国監視データ約8万9千件を解析した研究では、月曜日と日曜日に心停止が増加していることが示されました。
また、祝日も全体的にリスクが上昇し、特に旧正月やクリスマスなど大きな行事では増加が顕著でした。
この傾向は男性や高齢者、都市部に住む人で特に強く見られています。
一方で、心停止による死亡率は曜日や祝日によって大きく変わらなかった点も注目されます。
研究は気温や季節の影響を統計的に調整しており、単なる気候要因では説明できない「曜日や祝日特有の影響」が関係していると考えられます。

【なぜ増えるのか?生活リズムとストレスが関与】

月曜日は休日から平日への切り替えによる生活リズムの乱れや、仕事再開のストレスが影響します。
睡眠不足や自律神経の不安定さが重なることで、心拍や血圧が変動しやすくなるのです。
日曜日は活動量の急な変化や、翌日の仕事や予定に対する不安が加わり、心血管系への負担が大きくなると考えられます。
祝日は食べ過ぎ、飲み過ぎ、夜更かしなど生活習慣の乱れが起こりやすい時期です。
特に飲酒は心臓のリズムを乱し、不整脈を引き起こす「ホリデーハート症候群」と呼ばれる現象につながります。
また、家族行事や移動で体力的・精神的に負担が増すことも、心停止のリスクを高める要因とされています。

【予防のために今日からできる工夫】

心停止を完全に防ぐことはできませんが、日常生活の工夫でリスクを下げることは可能です。
まず、睡眠をしっかりと確保し、特に日曜の夜は平日と同じ時間に寝て生活リズムを整えることが大切です。
また、飲酒はほどほどにし、塩分や脂質の多い食事ばかりにならないよう野菜や水分を意識的に取り入れましょう。
血圧や糖尿病、不整脈の薬は、連休中でも忘れずに服用してください。
入浴や運動についても、深夜の長風呂や急激な運動は避け、無理のない範囲で行うことが重要です。
胸の痛み、強い息切れ、冷や汗などの症状が出た場合は、迷わず119番へ通報してください。
さらに、家庭や職場でAED(自動体外式除細動器)の設置場所を確認し、もしもの時に備えておくことも有効です。

【まとめ】

最新研究により、心停止は月曜・日曜・祝日に増えることが確認されました。
この背景には、生活リズムの乱れやストレス、飲酒や食生活の変化といった要因が関係しています。
私たちは睡眠・食生活・ストレス管理に気を配り、無理のない生活を心がけることで、心臓への負担を減らすことができます。
また、AEDや救急体制を知っておくことも命を守る大切な準備です。
小さな工夫の積み重ねが、大きな安心につながります。

【引用情報】

Yun H, Min H, Park J, et al. Does the risk of out-of-hospital cardiac arrest (OHCA) incidence change by day of week and holidays?
A nationwide case time series study in South Korea. BMJ Open. 2025;15:e099980. doi:10.1136/bmjopen-2025-099980