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脳卒中脳神経内科

ビタミンB1(チアミン)で脳を守る:脳卒中リスクと食事の新知見

【はじめに】
脳卒中は日本でも主要な死亡・要介護の原因です。毎日の食事でできる予防
は想像以上に大きく、その中でもビタミンB1(チアミン)に注目が集まって
います。B1は糖質代謝と神経の働きに欠かせず、不足すると神経細胞のエネ
ルギーが足りなくなるのです。

【研究のポイント】
米国の大規模調査NHANESを用い、高齢者のB1摂取量と脳卒中リスクが検討さ
れました。結果は「摂取が多いほどリスクが低下」というものです。最も多
く摂った群は最も少ない群より有意にリスクが低く、完全調整モデルで最高
四分位のオッズ比は0.63でした。

【用語をかんたんに】
オッズ比は「起こりやすさの比」を示す指標で、1より小さいほど起こりにく
いと理解できます。NHANESは米CDCが行う国民健康栄養調査で、横断研究は
因果を断言しない反面、傾向を見るのに適した方法です。

【なぜB1が脳を守るのか】
B1は糖をエネルギーへ変える酵素のカギを握ります。脳は大量のエネルギー
を常に必要とする臓器で、不足すると乳酸や酸化ストレスが増え、血管や神
経に負担をかけます。その結果、動脈硬化や脳梗塞につながる可能性があり
ます。

【どれくらい摂ればいい?】
日本人の目安量は成人で1.0〜1.4mg/日です。活動量や炭水化物摂取が多い人
はやや多めが望ましいでしょう。水溶性で体に貯めにくい性質のため、一度
に大量ではなく、毎日コツコツと継続することが重要です。

【今日からできる食べ方】
B1は豚肉、うなぎ、玄米、全粒パン、豆類に豊富です。忙しい日は「豚しゃ
ぶ+豆腐+玄米おにぎり」で手軽に摂取できます。全粒粉パンに卵やツナを
合わせるのもおすすめです。にんにくや玉ねぎはB1の利用を助けるとされ、
豚肉と組み合わせるのは理にかなっています。

【高齢者で注意したい点】
加齢や持病で食が細るとB1不足が起こりやすくなります。利尿薬の使用や炭
水化物中心の偏食も要因です。食欲不振、しびれ、むくみ、疲れやすさなど
が続く場合は内科受診で栄養状態を確認しましょう。無理な糖質制限も避け
るべきです。

【運動とセットで】
B1は糖を燃やすギアなので、軽い運動と組み合わせると効果的です。散歩や
体操を週150分ほど行い、運動前後にバナナやヨーグルトを摂取するのが理
想的です。水分と塩分補給も忘れず、立ちくらみ予防につなげましょう。

【リスク管理の基本】
B1だけでなく、血圧・糖尿病・脂質管理も脳卒中予防の柱です。禁煙、節酒、
体重管理、睡眠の質改善も重要です。サプリは薬ではないため、持病や多剤
併用中の方は主治医に必ず相談してください。

【まとめ】
ビタミンB1は脳の燃料化を助ける見えないサポーターです。高齢者ほど不足
しやすく、毎日の積み重ねが脳卒中予防につながります。豚肉や全粒穀物、
豆類を取り入れ、運動や生活習慣改善とあわせて脳を守る習慣を築きましょ
う。

参考文献・引用

  • Zhuo S, et al. Association between dietary vitamin B1 intake and stroke risk in
    older patients: a retrospective cross-sectional study.
    BMC Neurology (2025).
    DOI: 10.1186/s12883-025-04333-y
  • NHANES公式:https://www.cdc.gov/nchs/nhanes/

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