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一般内科循環器感染症

大人の予防接種ガイド:心血管リスクを減らす5つのワクチンと安全性

【はじめに:心血管疾患とワクチンの関係】
心臓病や脳血管病がある成人は,呼吸器感染で重症化しやすく,
入院や死亡が増えることが知られています。最新のACC声明は,
予防接種を心血管ケアの“標準”として組み込むよう提案します。 American College of Cardiology+1

インフルエンザや新型コロナの流行時には,炎症や血栓傾向が強まり,
心筋梗塞や脳卒中などのイベントが増えることが報告されています。
ワクチン接種は,この連鎖を断ち切る実践的な手段です。 ジャマネットワーク+1

【なぜ効くの?:心血管イベント低減のエビデンス】
インフルエンザワクチンは,冠動脈疾患患者などで主要心血管イベントを
減らす可能性が,メタ解析や試験の事後解析で示されています。
「打つ価値」は,感染予防を超え心血管保護にも及びます。 ジャマネットワーク+2サイエンスダイレクト+2

新型コロナワクチンは,重症化を防ぐだけでなく,感染に伴う心血管合併症の
リスク低下と関連する報告が蓄積。接種後の心筋炎はまれで,多くは軽快し,
感染後の心筋炎より重さが小さい傾向が示されています。 PMC+2CDC+2

帯状疱疹(ヘルペス)ワクチンは,発症予防が主目的ですが,近年の大規模研究で
心筋梗塞や脳卒中のリスク低下との関連が示され,ACCも接種を推奨します。
心疾患のある方は帯状疱疹自体のリスクも高めです。 American College of Cardiology+2欧州心臓病学会+2

【推奨ワクチン:だれが・いつ打つ?(要点まとめ)】
①インフルエンザ:すべての成人で毎年接種を推奨。心疾患のある方では
特に優先度が高く,流行前の接種が望ましいと整理されています。 American College of Cardiology

②肺炎球菌:65歳以上,または19~64歳でも慢性心疾患などがある場合は
接種対象。PCV20を“1回”で完了するか,PCV15→1年後にPPSV23の選択肢。
診療での記録確認とスケジューリングが重要です。 CDC

③RSV:75歳以上は全員が“1回”。50~74歳は“重症化リスク”がある人
(慢性心疾患を含む)が対象。毎年ではなく,現時点では単回接種です。 CDC+1

④新型コロナ:最新シーズンのワクチンを推奨。重症化・死亡だけでなく,
心筋梗塞や心房細動など心血管リスクの抑制とも関連が示唆されています。
地域の接種方針に従い,適切なタイミングで受けましょう。 PMC

⑤帯状疱疹:50歳以上は“2回接種”(不活化ワクチン)。心疾患の方は
帯状疱疹罹患時に脳卒中や心筋梗塞が増えるという報告があり,
発症予防の観点からも接種が勧められます。 American College of Cardiology

【安全性・同時接種:知っておきたいポイント】
複数のワクチンは同日に接種しても原則安全で,来院機会を活かせます。
ただし肺炎球菌で“PCV15とPPSV23”の同時接種は不可。通常は1年あけ,
一部では8週間以上の間隔も選択肢です。 CDC+2Immunize.org+2

新型コロナワクチン後の心筋炎は“まれ”。多くは安静と薬で改善します。
一方,感染後の心筋炎リスクは接種後より高いとの研究もあり,総合的には
接種利益が上回ると評価されています。 CDC+1

【診療現場での実装:3ステップで確実に】
ステップ1:受診時に“接種歴を電子カルテで自動確認”。未完了があれば
リスト化して次回予約へ。心不全外来やPCI後フォローでの併用が有効です。 American College of Cardiology

ステップ2:同日接種を基本にし,PCV15→PPSV23の間隔管理だけ注意。
副反応説明は“打つ腕を分ける・当日の入浴と運動”など生活指導もセットで。 CDC

ステップ3:患者向け説明では「感染予防+心血管イベント予防の二重の利点」を
分かりやすく提示。意思決定を支える“見える化”が接種率を高めます。 American College of Cardiology

【用語ミニ解説】
RSV:高齢者で重症肺炎の原因となるウイルス。単回接種のワクチンが利用可能。
肺炎球菌:肺炎や敗血症の原因菌。高齢者や心疾患のある人は重症化しやすい。 CDC+1

【日本在住の方向け注意】
本記事はACC(米国)の整理に基づきます。日本の公費・任意接種の適用や
接種券の運用は自治体で異なります。国内指針と主治医の指示に従ってください。

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■参考文献・情報源(主要な原典・要約)
・ACC Expert Consensus on Adult Immunizations as Part of CV Care(2025年).
(声明本文/要約・プレスリリース) American College of Cardiology+3日本心臓病学会+3日本心臓病学会+3
・CDC:成人RSVワクチンの推奨(75歳以上,全員。50–74歳は高リスク) CDC+1
・CDC:肺炎球菌ワクチンの接種法・間隔(PCV20またはPCV15→PPSV23) CDC+1
・Immunize.org:PCV15とPPSV23は同日接種不可・標準間隔1年 Immunize.org
・COVID-19ワクチンの心血管アウトカム・安全性レビュー/CDC資料 PMC+1
・帯状疱疹ワクチンと心血管イベント低減の関連(研究・総説・会見) CIDRAP+1

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■当院からのお知らせ(那覇・シーサー通り内科リハビリクリニック)
当院では,心血管疾患の方に“予防接種×心臓脳ケア”の同時実施を推進。
インフルエンザ,新型コロナ,肺炎球菌,RSV,帯状疱疹の接種歴を確認し,
その日の診察と併せて最適な同日接種をご提案します。ワクチンの在庫や
費用は季節で変わります。まずはWeb問診・予約からご相談ください。