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一般内科感染症

増加する梅毒:検査の流れ・ペニシリン治療・再感染予防のコツ

【導入】
近年、梅毒の報告数が世界的にも国内でも増えています。放置すると目や耳、神経、心臓など多臓器に影響し、妊娠中の感染は赤ちゃんの重い合併症につながります。早く見つけ、
正しく治療し、再感染を防ぐ――この三つが何より大切です。

【梅毒とは】
梅毒は「トレポネーマ・パリダム」という細菌が原因の性感染症。主に性行為の際にできた“病変”との接触でうつり、妊娠中は胎盤を通じて赤ちゃんに感染することもあります。抗菌薬が効く病気ですが、気づかれにくい初期症状があるため、検査のタイミングが重要です。

【初期〜後期の症状】(キーワード:初期症状・発疹・神経梅毒)
感染後3週間前後、陰部や肛門、口の接触部位に“痛みの少ない潰瘍”(しこりを伴うことも)=一次梅毒が出やすいのが特徴です。数週間で自然に消えるため「治った」と誤解しやすい点に注意。続く二次梅毒では、手のひら・足の裏を含む全身の発疹、口内の白い斑、いぼ状の湿った病変(コンジローマ・ラータ)、発熱やリンパの腫れ、だるさなどが出ます。こちらも消えたり再発したりしながら潜伏期へ進みます。治療しないまま長い年月がたつと、まれに三次梅毒となり、皮膚や骨、心臓(大動脈炎)などが障害されます。梅毒はどの時期でも神経や目・耳に及ぶことがあり、髄膜炎、視力低下、難聴、脳梗塞様の症状が起こることがあります。急な視力・聴力の変化は要受診。

【検査と診断】(キーワード:梅毒検査・血液検査・スクリーニング)
診断の柱は血液検査の二本立てです。
1つめは活動度をみる「非トレポネーマ(RPR/VDRL)」で、数値の
上下(例:1:32→1:8)で治療効果や再感染を評価します。
2つめは原因菌に対する抗体をみる「トレポネーマ検査」で、陽性・陰性を判定します。両者の組み合わせで“いまの病期”を推定。発疹や口・肛門の湿った病変から採った検体で菌の遺伝子検査ができる場合もあります。目や耳の症状が強いとき、神経症状がある
ときは髄液検査を行い、神経梅毒の有無を確認します。妊婦さんは
妊娠初期・後期・分娩時の3回スクリーニングが強く推奨されます。

【治療と再感染予防】(キーワード:ペニシリン・再検査・DoxyPEP)
第一選択はベンザチン・ペニシリンGの筋肉注射です。
・早期(一次・二次・早期潜伏):240万単位を1回投与
・晩期潜伏/期間不明:240万単位を週1回×3回投与
・神経・眼・耳の梅毒:結晶ペニシリンGを点滴で10〜14日間
妊娠中はペニシリンが基本。ペニシリンが使えない場合の代替は
状況により限られ、専門医の判断が必要です。治療後は3〜6か月
ごとにRPRをフォローし、12か月(潜伏は24か月)以内の“4倍低下”
(例:1:32→1:8)が目標です。低下が乏しければ再感染の有無や
神経梅毒を再評価します。 予防の基本は、コンドームの適切な使用、パートナー数と同時期の関係(同時並行)の見直し、定期検査です。特に感染リスクの高い人(例:過去1年に細菌性STIがあったMSMやトランス女性)では、性行為後72時間以内にドキシサイクリン200mgを内服する“ドキシサイクリン・曝露後予防(DoxyPEP)”が、梅毒リスク低減に
有効と報告されています。適応やメリット・デメリットを医師と話し合って判断しましょう。

【受診の目安】
・性器・肛門・口に痛みの少ない潰瘍やしこりがある
・手足のひらを含む発疹、湿ったいぼ状の病変がある
・原因不明の視力低下、耳鳴り・難聴、強い頭痛が出た
・パートナーが梅毒と言われた、心当たりのある接触があった
・妊娠の可能性がある、または妊娠中で不安がある

【よくある誤解】
「自然に治ったから大丈夫」→症状が消えても菌が残ることが。
「陰性だったから安心」→感染直後は陰性でも、数週間後に陽性へ。
「一度治療すれば一生安心」→再感染は起こります。定期検査を。

【まとめ】
梅毒は“見逃さない・すぐ治す・またかからない”が鍵です。
症状が軽くても、早めの相談と検査で合併症を防げます。
不安を抱えたままにせず、信頼できる医療機関へご相談ください。

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【参考・引用(外部リンク)】
・Chevalier FJ, Bacon O, Johnson KA, Cohen SE. Syphilis—A Review.
JAMA. Published online Oct 16, 2025. DOI:10.1001/jama.2025.17362
(本文の疫学・診断・治療・予防の記述は本総説に基づき作成)
リンク: https://doi.org/10.1001/jama.2025.17362


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