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一般内科循環器生活習慣病(高血圧・糖尿病など)

心臓病と脳卒中のリスクを下げるには?世界動向と今日からできる対策

【心血管病は「世界で最も多い病気」—まず全体像を知る】
心筋梗塞や狭心症などの「心臓の病気」と、脳梗塞・脳出血などの「脳の病気」を
まとめて心血管疾患と呼びます。世界ではいまも最も多い病気で、2023年の時点で
推定6億2,600万人が罹患しています。死亡数は1,920万人と報告され、障害や早死に
の損失(DALY)でも首位です。数が増える背景には人口増加や高齢化があり、年齢
あたりの率は下がっても、絶対数は増える流れが続いています。

ここで押さえたいのは、「原因の約8割が防げる要因」という点です。具体的には、
①高血圧、②不適切な食事、③LDLコレステロール(いわゆる悪玉)の上昇、④大気
汚染が大きな寄与因子です。逆に言えば、血圧・食事・脂質・環境に目を向ければ、
多くの心血管イベントは減らせます。特に高血圧の影響は突出して大きいと示され、
次いで食事、LDLコレステロール、大気汚染が続きます。

【リスクを見える化する—数値の意味をやさしく解説】
高血圧:家庭血圧で上が135、下が85を超えやすい状態が続くと、血管の壁に負担が
かかり、動脈硬化が進みます。まずは家庭血圧を朝晩測り、継続して記録しましょう。
LDLコレステロール:血液中の脂質で、数値が高いほど動脈硬化の進行が加速します。
家族に心筋梗塞が早く起きた人がいる場合は特に注意が必要です。生活習慣の改善と
薬物治療(スタチン等)で、将来の発作リスクを大きく下げられます。

食事:食塩の摂り過ぎ、加工肉や糖分の多い飲料が多い食生活は、血圧や脂質、体重、
血糖に悪影響です。逆に、野菜・果物・全粒穀物・ナッツ・魚・オリーブ油などを中心
にした地中海食やDASH食は、心血管イベントを減らす方向に働きます。大気汚染:PM2.5
の多い環境は、炎症や血管の機能低下を通じてリスクを押し上げます。マスクや換気の
工夫、屋外運動の時間帯選びも、小さくない予防策になります。

【今日からできる実践—“血管の健康”を守る7つの習慣】
①血圧は「朝晩×2回×7日」測る:平均値で評価し、目標は家庭血圧で上135/下85未満。
②塩は1日6g未満を意識:味付けは「だし・酸味・香辛料」を使って薄味でも満足感を。
③脂質は“質”を整える:青魚・オリーブ油・ナッツを増やし、加工肉・トランス脂肪を
減らす。LDLの高い人は医師と薬物治療も検討。④体重は“ゆるく長く”:1か月−1〜2kg
を目安に、夕食の炭水化物を少し減らす・間食を果物やヨーグルトに置換。

⑤運動は週150分以上:速歩やサイクリングなど「息がはずむ強さ」を基準に、1回20〜
30分をこまめに積み上げる。座りっぱなしは60分に一度立ち上がる。⑥禁煙と受動喫煙
対策:加熱式も含めて“ニコチン依存症の治療”として医療機関に相談を。家族の健康保護
にも直結。⑦睡眠・歯・ストレス:睡眠時無呼吸の治療、歯周病ケア、メンタルケアも
血管リスクの土台づくり。定期健診で早めに芽を摘むことが、最大の近道です。

【検査と治療—「見つけて、整えて、守る」の3ステップ】
見つける:血液検査(LDL・HDL・中性脂肪・HbA1c)、血圧測定、頸動脈エコー、心電図、
必要に応じてABI(足の血流チェック)やCTで動脈硬化の程度を評価します。整える:食事・運動・禁煙をベースに、スタチンやエゼチミブ、SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬などを
個々の背景に合わせて使い分けます。守る:再発予防(抗血小板薬や降圧薬の継続、心臓
リハビリ)で“良い状態を保つ”ことが要です。

ポイントは、「行動+数値+継続」。行動(食事・運動・禁煙)を、数値(家庭血圧やLDL、
体重・腹囲・歩数)で見える化し、生活に無理なく“はめ込む”こと。アプリや家庭血圧計、
スマートウォッチの活用は強力な味方です。1つずつでも確実に積み上げれば、数年単位で
動脈硬化の進行は遅くなり、将来の発作や脳卒中を確実に減らせます。

【まとめ—最前線のエビデンスが示す「やれば減らせる」】
世界の最新データは、「高血圧・食事・脂質・大気汚染」の管理で、多くの心血管疾患が
防げることを再確認させてくれます。完璧を狙うより、“できることを、できる範囲で、
続ける”。今日からの一歩が、5年後・10年後のあなたの血管を守ります。気になる症状や
家族歴がある方、数値が高めと言われた方は、早めに医療機関でご相談ください。

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■参考文献(リンク)
Global, Regional, and National Burden of Cardiovascular Diseases and Risk Factors in 204 Countries and Territories, 1990–2023. JACC. 2025. doi:10.1016/j.jacc.2025.08.015

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■当院からのご案内(那覇・シーサー通り内科リハビリクリニック)
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