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歩く速さで寿命が変わる?高齢者の歩行速度・フレイル・認知症の関係をやさしく解説
【はじめに:歩行速度は“体のダッシュボード”】
歩く速さは、体の今を映す指標です。疲れやすさ、物忘れ、転倒リスクなどの兆候を、
特別な機械なしで早く見つけるヒントになります。まずは「6m歩行テスト」を知りましょう。
【歩行速度が示すサイン:フレイル・認知症・生活機能】
研究では、歩行速度が毎秒1.0mを下回る方は、フレイルや認知症、日常生活動作の低下、
抑うつなどのリスクが高いと報告されています。歩く速さは全身の総合力の現れです。
同じ体重でも、体力や筋力、脳の処理能力、薬の種類、持病の数が速さに影響します。
「遅くなった気がする」は立派なサイン。年齢相応と決めつけず、状態を見直しましょう。
1.0m/秒はアジアの基準での目安値。これを下回る場合は、転倒や入院の予防のためにも、
早めの評価と対策が有効です。気づいた時が始めどき。数値化すると変化に気づけます。
【6m歩行テストのやり方:家でもできる簡便評価】
必要なのは6mの直線とストップウォッチだけ。安全確保のため、室内の平坦な廊下が最適。
杖や歩行器を使う方は、ふだんの歩き方のままで測って構いません。
手順は簡単です。スタートラインから自然な速さで歩き、6m先のラインを越えた瞬間で計測。
「できるだけ速く」ではなく「いつもの速さ」で歩くのがポイントです。
歩行速度=距離(6m)÷時間(秒)。例:6mを7秒→約0.86m/秒。二回測って良い方を採用。
靴はふだん履くものを使用。転倒が不安なら家族やスタッフが横で見守りましょう。
結果の目安です。1.0m/秒以上は概ね良好、0.8〜1.0は注意、0.8未満は要評価のサイン。
体調でぶれるため、同じ時間帯・同条件で定期的に測ると推移が読みやすくなります。
医療機関では握力や椅子立ち上がり、栄養、認知、服薬数なども合わせて確認します。
歩行速度は入り口。必要に応じ総合的な評価(CGA)へ進めると漏れが減らせます。
【遅いを速くする:今日からできる実践プラン】
筋力は「使えば伸びる」臓器。週2〜3回の下肢トレ(椅子立ち上がり、つま先立ち、段差昇降)
を10分から。息が弾む強度でOK。痛みが出る前に休むのが長続きのコツです。
歩く日は「会話できる速さ」で10〜30分。余裕が出たら1分速歩+1分通常歩行を3本追加。
心肺と歩行リズムが鍛えられ、速度の底上げにつながります。
栄養は三本柱。①十分なたんぱく質(体重1kgあたり1.0〜1.2gを目安)②ビタミンDとカルシウム
③こまめな水分。低栄養は筋力低下と直結。食が細い方は間食も活用しましょう。
薬は見直しが大切です。眠気やふらつきを起こす薬が速度を落とすことがあります。
服薬数が多い方は処方の整理(ポリファーマシー対策)を主治医に相談しましょう。
脳のトレーニングも有効。段差手前で数を数える、しりとり歩行など二重課題は、
認知と歩行の協調を高めます。無理は禁物。安全最優先で少しずつ広げましょう。
住環境も速度の味方です。手すり、明るい照明、滑りにくい靴、段差解消で一歩が軽くなる。
杖の高さ調整だけで歩幅が伸びる方もいます。専門職の助言が近道です。
改善のペースは人それぞれ。週に一度の測定を続けると、努力が線になって見えてきます。
増えた0.1m/秒は、転ばない未来への大きな一歩です。焦らず積み上げましょう。
【まとめ:歩行速度を“健康の定期テスト”に】
歩行速度は、機器いらずの強力なスクリーニング。1.0m/秒を一つの目安に、
体力、栄養、薬、住環境を整えれば、再び“自分の速さ”を取り戻せます。
気になる方、家での測定が不安な方は、医療機関で客観評価を受けてください。
転倒歴や物忘れがある場合は、早めの相談が安心につながります。
【引用情報】
・He X, Li Y, et al. “The primary hospitals should take gait speed as a routine test for elderly patients.”
Scientific Reports, 2025. 6m歩行・1.0m/秒と各アウトカムの関連を示した研究。
・アジアサルコペニア基準(AWGS 2019):歩行速度1.0m/秒を機能低下の目安とする合意。
・EWGSOP 2010:サルコペニア診断における歩行速度活用の位置づけ。
【当院のご案内(コマーシャル)】
那覇市の「シーサー通り内科リハビリクリニック」では、6m歩行テスト・握力・椅子立ち上がり、
栄養評価、服薬整理、ニューロリハ(衝撃波治療・耳介迷走神経刺激・コグニバイク)まで一体的に実施。頭痛・脳梗塞後・認知症の相談、CT・骨密度・脳神経エコーによる精査も対応します。
「歩く速さが落ちたかも?」と感じたら、お気軽にご相談ください。あなたの“一歩”を支えます。
