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がんと脳梗塞の関係は?「抗凝固薬」の効果とリスクを最新研究で解説
【がんと脳梗塞の深い関係】
がんになると、血液が固まりやすくなり、血栓(けっせん)ができやすくなります。
この血栓が脳の血管につまると、脳梗塞(のうこうそく)を起こすことがあります。
一方で、血液をさらさらにする「抗凝固薬」を使うと、出血が増える心配もあります。
そのため、どの患者さんに使うのがよいか、慎重な判断が必要です。
【研究の内容と結果】
アメリカの大規模研究では、脳梗塞を起こした約8万人のうち、約1割に活動中のがんがありました。
主ながんは泌尿器(ひにょうき)・消化器・血液のがんでした。
退院後に抗凝固薬を使っていた人は約15%と少なく、多くは使っていませんでした。
6か月以内の再発は多く、再び血栓ができた人の割合はかなり高い結果でした。
しかし、抗凝固薬を使った人と使わなかった人で「再発の差」ははっきりしませんでした。
また、出血のリスクも大きな差は見られませんでした。
【どう理解すればよい?】
この結果から、「抗凝固薬を使えば再発を防げる」とも「使わなくても大丈夫」とも言い切れません。
がんの種類や進行、治療内容、血小板(けっしょうばん)の数などが人によって違うからです。
抗凝固薬を使うかどうかは、出血の危険性と再発リスクのバランスで決まります。
つまり、「誰にどの薬をどのくらい使うか」を一人ひとりで考える必要があります。
【日常生活でできる予防】
がんの治療中や脳梗塞の再発予防では、次の点に気をつけましょう。
・水分をしっかりとる(脱水は血栓を作りやすくします)
・長時間同じ姿勢を避ける(ときどき体を動かす)
・禁煙・節酒・適度な運動を心がける
・血圧・血糖・コレステロールを適切に保つ
・黒い便や血の混じった痰(たん)など出血サインがあればすぐ受診
また、脳梗塞のサイン「FAST(顔・腕・ことば・時間)」も覚えておくと安心です。
【専門医からのまとめ】
がんを合併した脳梗塞は、再発も出血も多い難しい病気です。
今回の研究では、抗凝固薬を使っても明確な効果は示されませんでした。
今後は、前向きの臨床試験で最適な治療法を探ることが求められています。
現時点では、がんの種類や全身の状態に合わせた「個別治療」が最も重要です。
【出典】
Balali P, Acton EK, Elser H, et al.
Neurology. 2025;105(10):e214325.
doi:10.1212/WNL.0000000000214325
【シーサー通り内科リハビリクリニックより】
当院(那覇市)は、内科・脳神経内科・リハビリを専門に診療しています。
脳梗塞後の再発予防や抗血栓薬の相談、がん治療中の脳梗塞フォローも行っています。
「薬の飲み合わせが心配」「再発を防ぎたい」など、お気軽にご相談ください。
公式サイト・LINE・お電話でのご予約をお待ちしています。
