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便秘は命に関わる?心臓・腎臓にも影響する“腸のサイン”とは
【はじめに】
便秘というと、「お腹が張る」「スッキリしない」といった不快な症状を思い浮かべる方が多いと思います。しかし、最近の研究では、便秘は単なる腸の問題にとどまらず、心臓や腎臓、さらには寿命にも関係していることが分かってきました。
【便秘と全身のつながり】
便秘が続くと、腸内の悪玉菌が増え、アンモニアや有害物質が体の中に吸収されやすくなります。これが全身の炎症を引き起こし、血管や臓器に負担をかけることがあります。
また、排便時に強くいきむと血圧や脈拍が急に上がり、心臓に持病がある方では危険を伴うこともあります。つまり「便秘」は、体の中で起きている変化を知らせる“腸からの警告サイン”とも言えるのです。
【研究でわかったリスク】
2025年に発表された大規模な研究では、便秘のある人はない人に比べて、死亡率が約1.1倍高いと報告されました。
特に慢性腎臓病のある方では約1.4倍、心不全のある方では約1.85倍と、さらにリスクが高まります。その理由の一つに、水分制限や薬の副作用、活動量の減少などが便秘を悪化させることが挙げられます。
「便秘」と「持病」が重なると、体の負担が一気に増えるため、放置せず早めの対策が大切です。
【今日からできる便秘対策】
まずは生活習慣の見直しが基本です。朝起きてコップ一杯の水を飲むことで、腸の動きがスイッチオンします。
食事では、野菜・豆・海藻・果物などに含まれる食物繊維を意識的にとりましょう。
発酵食品(ヨーグルト・味噌・納豆など)は腸内環境を整える助けになります。
さらに、1日10〜20分の早歩きなど軽い運動も効果的です。腸を刺激して排便のリズムを作りやすくします。
朝食後は腸が最も動く時間帯。無理に出そうとせず、数分間トイレに座る習慣をつけてみてください。
【薬とのつき合い方】
薬の中には便秘を悪化させるもの(抗コリン薬や鉄剤など)があります。気になる場合は医師に相談を。
下剤も種類によって作用が異なります。刺激性下剤を自己判断で使い続けると、腸の働きが弱まることがあります。
最近では、体に優しい酸化マグネシウムや新しいタイプの下剤も登場しています。
「出なくてつらい」と感じたら、自己流ではなく医師や薬剤師に相談することが、安全で確実な方法です。
【まとめ】
便秘は誰にでも起こる身近な症状ですが、全身の健康に関わる重要なサインでもあります。
特に心臓や腎臓に持病がある方は、便秘を軽く見ず、医療機関と一緒に対策を進めることが大切です。
「出ない日々」を放置せず、“出る生活”を整えることが、健康寿命をのばす第一歩になります。
【当院からのご案内】
那覇市の「シーサー通り内科リハビリクリニック」では、便秘の生活改善、薬剤調整、腸活アドバイスを行っています。
内科・脳神経内科・リハビリの専門医が連携し、姿勢や運動、呼吸法も含めた全身のサポートを行っています。腎臓病や心不全など、持病をお持ちの方の便秘相談も対応可能です。お気軽にご相談ください。 【参考文献】
Liu B, Wu X, Wang Y, Hu X. Association between constipation and risk of cardiovascular or all-cause mortality: a meta-analysis.
Annals of Medicine. 2025;57(1):2561803.
