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一般内科循環器

機内で体調不良を起こしたら?応急処置とAEDの正しい使い方

【はじめに:なぜ機内で体調不良が起こるのか】

飛行機では気圧や湿度が低く、酸素も薄くなります。
長時間座ることで血流が悪化し、失神や血栓が起こることもあります。
持病や脱水、寝不足、アルコール摂取が重なるとリスクが高まります。
そのため、機内では思いがけない体調不良が起こることがあります。

【機内で起きやすい症状と緊急性】

最も多いのは「めまい」「気分不良」「失神」などの軽症例です。
一方で、胸痛・呼吸困難・けいれん・意識障害などは重症の可能性があります。
片側の麻痺やろれつの回りにくさは脳卒中のサイン。
胸の圧迫感や冷汗は心筋梗塞を疑う重要な症状です。

【客室乗務員への伝え方と初期対応】

異変を感じたら、ためらわず乗務員に知らせましょう。
症状の始まり・既往歴・内服薬を簡潔に伝えることが大切です。
失神や意識がもうろうとした場合は、体を横にして足を少し高くします。
呼吸が止まっている場合は、すぐに心肺蘇生(CPR)を開始します。

【AEDとは?キーワード=電気ショック・心室細動】

AED(自動体外式除細動器)は、心臓がけいれんして血液を送れない状態(心室細動)に
電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための装置です。
誰でも使用できるように設計されており、音声ガイドに従えば安全に使えます。
飛行機や空港などの公共交通機関には必ず搭載されています。

【AEDの使い方:手順とポイント】

① 意識・呼吸を確認します。反応がなく呼吸がない場合は心停止です。
② 助けを呼び、AEDを持ってきてもらいます。
③ 胸の真ん中を強く・速く(1分間に100〜120回)押します。
④ AEDが届いたら電源を入れ、音声の指示に従います。
⑤ パッドを胸に貼り、離れてショックボタンを押します。
⑥ その後は再び胸骨圧迫を続け、AEDの指示を繰り返します。

【AEDが必要な理由】

心停止は発症から1分ごとに生存率が約10%ずつ低下します。
救急車が到着するまでの時間を考えると、
周囲の人がAEDを使うかどうかが命を分けます。
航空機では医療機関到着まで30分以上かかることもあり、
その場でのAED使用が救命の唯一の手段になる場合もあります。

【機内でのAED使用と現場の流れ】

乗務員は応急処置やAED操作の訓練を受けています。
「医療関係者はいませんか」と呼びかけが行われることもあります。
医師が同乗していれば補助しますが、いなくても心配は不要です。
AEDの音声に従って落ち着いて対応すれば、誰でも命を救うことができます。

【予防と準備:持病のある方へ】

搭乗前に主治医と相談し、必要に応じて薬や酸素を携行しましょう。
心臓・肺疾患、脳卒中の既往がある方は特に注意が必要です。
処方薬や診療情報を英語でまとめておくと海外でも役立ちます。
水分を十分にとり、無理のない姿勢を心がけてください。

【まとめ:AEDと冷静な判断で命をつなぐ】

倒れた人を見たとき、「自分にできることはある」と思ってください。
声かけ・通報・心臓マッサージ・AEDの4つが救命の柱です。
誰もが使えるAEDが、あなたの行動で最大の力を発揮します。
冷静な対応と連携が、空の上でも確かな命を守ります。

【当院からのお知らせ】

那覇市の「シーサー通り内科リハビリクリニック」です。
内科・脳神経内科・リハビリに対応し、頭痛・めまい・脳卒中後のケアや、
生活習慣病管理、骨密度測定、運動リハビリを一貫して行っています。
AEDの使い方や救急対応についても地域で啓発活動を行っています。
体調や持病が気になる方はお気軽にご相談ください。

【参考・引用(一般向けリンク付き)】

  • JAMA Network Open. In-Flight Medical Events on Commercial Airline Flights. 2025.
    https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/article-abstract/2813634
  • 日本救急医療財団. AEDの使用方法と心肺蘇生法(成人編).
    https://aed.fdma.go.jp/
  • 厚生労働省. 心停止から命を救うために(AED普及資料).
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000165085.html