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機能性発作(心因性発作)とてんかんは併存する?見分け方と「赤信号」
発作のような症状があるのに、検査で「てんかんではない」
と言われて不安になる方は少なくありません。
近年は、こうした発作を機能性発作(機能性/解離性発作)
と呼びます。以前は「心因性非てんかん発作」とも呼ばれました。
大事なポイントは、機能性発作の人でもてんかんが併存する
ことがある、という点です。
そこで今回は、最新の研究で提案された「併存てんかんの疑い」
を整理する考え方を、やさしく解説します。
【機能性発作とは:キーワード=機能性発作・ストレス・脳の誤作動】
機能性発作は、けがや脳腫瘍のような「壊れた場所」が原因ではなく、
脳の働きが一時的にうまく噛み合わないことで起こる発作です。
体が固まる、震える、意識が遠のく、過呼吸になるなど、
見た目はてんかん発作と似ることもあります。
ただし、てんかんは脳波(EEG)で異常な電気活動が確認できる
ことが多いのに対し、機能性発作は別の仕組みで起こります。
問題はここからで、機能性発作だけの人もいれば、
機能性発作+てんかんが同時にある人もいます。
【併存てんかんの「5段階」:キーワード=赤信号・脳波・ビデオ脳波】
研究では、機能性発作の人に「てんかんもあるかもしれない度合い」
を5段階で整理しています。
①可能性は低い(unlikely):赤信号がほぼない。
②可能性あり(possible):話から赤信号はあるが、決め手がない。
③可能性が高い(probable):脳波や画像に、てんかんらしい所見。
④臨床的に確からしい(clinically established):専門医の観察で強く疑う。
⑤記録で確定(documented):発作中の脳波でてんかんを確認。
この研究では、機能性発作の人のうち、
「可能性は低い」が約6割と最も多い一方で、
脳波などで「確定レベル」も約1割いました。
【薬をどうする?:キーワード=抗てんかん薬・中止・患者中心】
機能性発作には、抗てんかん薬(ASM)が効かないことが多いです。
そのため、併存てんかんの可能性が低いなら、医師と相談して
減量や中止を検討する流れになります。
ただし、もし実はてんかんが隠れていた場合、薬を急にやめると
発作が悪化する危険があります。ここが一番こわいポイントです。
そこで役立つのが、「赤信号(レッドフラッグ)」の確認です。
たとえば睡眠中の発作、強いけが、失禁、舌の側面の咬傷などは、
てんかんを疑う材料になり得ます。
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また、判断が真ん中(possible/probable)の場合は、
追加の検査(ビデオ脳波、長時間脳波、スマホ動画の活用など)や、
患者さんの希望を踏まえた「患者中心の意思決定」が推奨されます。
まとめ
・機能性発作は「てんかんではない発作」ですが、併存はあり得ます。
・「赤信号」と脳波・画像・専門医の観察で、疑いの強さを整理します。
・薬の継続/中止は、自己判断せず、根拠をそろえて慎重に進めます。
※本記事は一般向け解説です。症状がある方は必ず医療機関へ。
引用情報(リンク)
- Iyer SN, et al. Proposed criteria of levels of evidence for co-occurring epilepsy in people with functional/dissociative seizures. Epilepsia. 2025. DOI: 10.1111/epi.70040
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