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筋肉量と認知症リスクの深い関係:最新研究でわかった驚きの事実
高齢者の認知症予防に筋肉量が重要?最新研究でわかった意外な関係
高齢化が進む中、認知症は多くの人にとって心配な病気です。
最近の研究では、筋肉量と認知機能の関係に注目が集まっています。
この記事では、筋肉がどのように脳を守るのか、最新の大規模調査をもとに解説します。
【筋肉量と認知機能の深い関係】
中国の長寿健康調査(CLHLS)という大規模調査で、60歳以上の高齢者2,536人を対象に7年間追跡調査が行われました。
調査では、筋肉量と認知機能をそれぞれ「ASMI(四肢骨格筋量指数)」と「MMSE(認知機能検査)」で測定しました。
その結果、筋肉量が多い人ほど認知機能が高いことがわかりました。
特に筋肉量の低下が、将来的な認知症のリスクを高める傾向が明らかになっています。
面白いことに、筋肉量が減ることで脳の機能が低下する影響は、逆(認知機能低下が筋肉量を減らす影響)よりも大きいことも確認されました。
【女性は特に筋肉量の影響が大きい】
研究では、性別による違いも調べられました。
結果は次の通りです。
・男性よりも女性の方が筋肉量の影響が強い
・女性は閉経後にホルモンバランスが変わり、筋肉量も減りやすい
・筋肉が減ると活動量や食事量が落ち、さらに筋肉が減る悪循環が起こる
このため、女性は特に筋肉量を維持することが大切だとされています。
また、筋肉は「マイオカイン」という物質を分泌し、脳の炎症を抑えたり神経の働きを助けたりする役割もあります。
【どれくらい筋肉を保つとよいのか?目安はASMI】
今回の研究では、筋肉量と認知症リスクに非線形の関係があることがわかりました。
つまり、ある程度筋肉が減ると、急激に認知症リスクが高まるということです。
具体的には以下の値が目安になります。
・男性はASMIが7.45kg/m²以上
・女性はASMIが5.68kg/m²以上
これらを下回ると、認知症の危険性が高まる傾向があります。
これまでにもアジア地域の基準(男性7.0kg/m²、女性5.4kg/m²)がありましたが、今回の研究はより詳しい数値を提示しています。
【まとめ】
この研究は、筋肉量が将来の認知症リスクを予測できる重要な指標であることを示しています。
特に女性や、60〜69歳の比較的若い高齢者では影響が大きいとわかりました。
筋肉を保つためには、
・バランスの良い食事(特にたんぱく質を意識)
・ウォーキングやスクワットなどの軽い運動
・定期的な体組成のチェック
を継続することが大切です。
もし「最近筋力が落ちてきた」「体重が減ってきた」と感じる方は、一度医療機関に相談してみてください。
認知症予防は、生活習慣の改善から始められます。
【引用情報】
Shi Y, Zhang Y, Yang X, Yang J, Wang S, Hong Y.
The relationship between cognitive function and muscle mass in older adults: a longitudinal study based on CLHLS.
Frontiers in Psychiatry. 2025;16:1595625.
doi: 10.3389/fpsyt.2025.1595625
【当院のご案内】
当院では、認知症予防のための運動療法や栄養指導を行っています 脳の健康チェックも可能ですので、気になる方はお気軽にご相談ください。
