ブログ
脳腫瘍の負担はどれくらい?統計から見える早期受診の大切さ
【脳腫瘍・CNSがんとは何か】
脳腫瘍や脊髄腫瘍は、「中枢神経系がん(CNSがん)」と呼ばれます。
脳や脊髄、神経の通り道にできるがんの総称です。
全体のがんの中では多くはありませんが、
体や生活への影響が大きい点が特徴です。
症状としては、頭痛、けいれん、手足の動かしにくさ、
言葉が出にくいなどがみられることがあります。
治療後も、まひや記憶力低下などが残ることがあり、
仕事や日常生活に支障が出ることも少なくありません。
そのため、CNSがんは「死亡数」だけでなく、
「生活への影響」も含めて考える必要があります。
そこで使われる指標が「DALY(ダリー)」です。
これは、健康に過ごせたはずの年数が、
どれだけ失われたかを表す数字です。
【最近30年の変化:命は守られ、負担は減少】
1990年から2021年までの米国データでは、
CNSがんの患者数は大きく増えていません。
一方で、亡くなる割合や、生活の質の低下を含めた
全体の負担は、少しずつ減ってきています。
これは、画像検査の進歩や手術・放射線治療、
薬物治療の改善が影響していると考えられます。
特に、「早く亡くなることによる損失」が減った点は、
医療の進歩を示す良い変化と言えます。
年齢別に見ると、高齢になるほど発症や死亡は増えます。
一方で、小児期にも一定数の患者がいるのが特徴です。
また、30歳以降では男性のほうが、
病気の負担がやや大きい傾向があります。
【地域差と早期受診の重要性】
同じ国の中でも、地域によって差があることが分かっています。
ある州では患者や負担が多く、別の州では少ないのです。
背景には、医療機関へのアクセスの違いや、
専門医の数、検査を受けやすい環境の差があります。
また、教育や収入などの社会的条件が厳しい地域ほど、
病気の負担が大きい傾向も示されています。
つまり、症状が出ても受診が遅れやすい環境では、
重症化しやすい可能性があるということです。
「いつもと違う頭痛」「けいれん」「片側の力が入りにくい」
「言葉が出にくい」といった症状は要注意です。
脳卒中だけでなく、脳腫瘍などの病気の
サインであることもあります。
迷ったときは、様子を見すぎず、
早めに医療機関へ相談することが大切です。
当院からのお知らせ
シーサー通り内科リハビリクリニック(那覇市) では、
一般内科に加え、脳神経内科とリハビリ診療を行っています。
頭痛、しびれ、ふらつき、けいれんなど、
「これって脳の病気?」と感じた症状もご相談ください。
必要に応じて検査や専門医療機関と連携し、
治療後の生活を支えるリハビリまでサポートします。
引用情報(最後にまとめて掲載)
- Burden of Central Nervous System Cancer in the United States, 1990–2021
JAMA Neurology, Published online November 3, 2025
https://jamanetwork.com/journals/jamaneurology
