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出産後も要注意?妊娠高血圧と「産後の血圧管理」が未来を守る理由
妊娠中に血圧が高いと言われた方は、
出産後は「もう終わった」と思っていませんか。
実は最近、産後の血圧管理が、
将来の脳の健康にも関係するかもしれない、
という研究結果が報告されました。
妊娠高血圧は、妊娠中だけの一時的なトラブルに
見えがちですが、体からの大切なサインでもあります。
この記事では、
「なぜ産後の血圧が大事なのか」
「最近わかった新しい知見」
「今日からできる対策」
を、できるだけやさしく解説します。
【産後も続く影響に注意|妊娠高血圧は“出産で終わり”ではない】
妊娠高血圧とは、妊娠中に血圧が高くなる状態です。
重い場合は、たんぱく尿などが出る
「子癇前症(しかんぜんしょう)」になります。
出産すれば血圧は自然に下がる、
そう思われがちですが、実際には
産後もしばらく血圧が不安定な方が少なくありません。
産後は育児や寝不足で自分の体調を後回しにしがちです。
そのため、血圧が高くても気づかれにくくなります。
しかし血圧が高い状態が続くと、
心臓だけでなく、脳の血管にも負担がかかります。
妊娠高血圧を経験した方は、
将来の脳卒中や生活習慣病のリスクが
高くなることも知られています。
【産後の血圧管理で脳に差?|最新研究で分かったこと】
最近、産後の血圧管理と脳の状態を調べた
臨床研究が発表されました。
この研究では、妊娠高血圧を経験した女性を対象に、
産後の血圧管理の方法を2つに分けて比べました。
一つは、家庭で毎日血圧を測り、
医師が遠隔でこまめに薬を調整する方法です。
もう一つは、一般的な産後フォローのみの方法です。
そして産後およそ9か月後に、
MRIという検査で脳の状態を調べました。
その結果、血圧をしっかり管理したグループでは、
脳の中の「白質」と呼ばれる部分が
より保たれている傾向が見られました。
白質は、脳の情報を伝える“配線”のような役割があります。
ここが傷みにくいことは、脳にとって良い状態と考えられます。
「脳が大きい=頭が良い」という意味ではありません。
ただ、産後の短い期間の血圧管理が、
脳を守る可能性が示された点が重要です。
【今日からできる産後ケア|血圧を守る3つのポイント】
妊娠高血圧を経験した方が、
産後に意識してほしいことは3つです。
一つ目は「血圧を測ること」です。
朝と夜など、時間を決めて測ると変化に気づきやすくなります。
二つ目は「無理せず相談すること」です。
頭痛、むくみ、息切れ、
血圧が高い日が続く場合は早めに受診しましょう。
三つ目は「完璧を目指さない生活改善」です。
塩分を少し控える、短時間でも体を動かす、
眠れるときに休む、これだけでも十分です。
必要な場合は薬を使うこともあります。
自己判断で中止せず、
必ず医師と相談しながら調整しましょう。
産後の血圧管理は、
未来の自分の健康を守るための
大切な一歩です。
当院からのご案内
シーサー通り内科リハビリクリニックでは、
妊娠高血圧を経験された方の産後フォローも行っています。
家庭血圧の見方や、
忙しい育児中でも続けやすい対策を、
一人ひとりに合わせてご提案します。
「出産後の体調が気になる」
「血圧が少し高いまま」
そんな時は、お気軽にご相談ください。
引用文献
- Lapidaire W, et al. Brain Volumes After Hypertensive Pregnancy and Postpartum Blood Pressure Management. JAMA Neurology, 2026
- NICE guideline NG133: Hypertension in pregnancy
