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認知症の前ぶれは運転に出る?家族が気づけるポイント
高齢になると、運転のしかたが少しずつ変わることがあります。
夜の運転を避けたり、遠出をしなくなったりするのは珍しくありません。
一見すると自然な老化に見えますが、
認知機能の低下が関係している可能性があることが分かってきました。
今回は、約10年間にわたって高齢者の運転を調べた研究をもとに、
私たちの生活にどう役立つのかを、やさしく解説します。
【軽度認知障害(MCI)とは|認知症の一歩手前】
軽度認知障害(MCI)とは、
「物忘れはあるが、日常生活はほぼ自立している」状態です。
ただし、MCIの一部は将来、認知症へ進行します。
そのため、早めに気づくことがとても大切です。
運転は、注意力・判断力・記憶・視力・体の動きを同時に使います。
このため、運転の変化は脳の元気度を映す鏡とも言われます。
【研究でわかったこと|運転は少しずつ変わっていく】
この研究では、高齢ドライバーに記録装置を取り付け、
日々の運転を長期間、客観的に調べました。
その結果、軽度認知障害のある人では、
時間がたつにつれて次のような変化が目立ちました。
・運転する回数が徐々に減る
・夜間の運転を避けるようになる
・行き先が限られ、遠出をしなくなる
特に注目されたのは、
**「行動範囲の狭まり」と「運転の単調さ」**です。
同じ道・同じ場所だけを走るようになる傾向が、
認知機能の低下と関連していました。
これらの運転データを組み合わせると、
軽度認知障害があるかどうかを、かなりの精度で見分けられました。
【家族が気づけるサイン|責めずに早めの相談を】
この研究は「運転だけで診断できる」と言っているわけではありません。
しかし、日常の変化に気づくヒントにはなります。
家族が気づきやすいポイントは、次のようなものです。
・以前より運転の頻度が減った
・夜や雨の日を極端に避ける
・遠出をしなくなった
・道順の説明があいまいになった
大切なのは、
「もう運転はダメ」と決めつけないことです。
体調、視力、聴力、飲んでいる薬の影響など、
運転に影響する要因はたくさんあります。
早めに医療機関へ相談することで、
安全を守りながら移動を続ける工夫が可能になります。
当院からのメッセージ
シーサー通り内科リハビリクリニックでは、
物忘れの相談や認知機能チェックを行っています。
「最近、運転が不安」「家族の変化が気になる」
そんな段階でのご相談を大切にしています。
早めの相談が、
安心して暮らし続けるための第一歩になります。
引用・参考文献(リンク)
- Neurology. 2025;105:e214440
Association of Daily Driving Behaviors With Mild Cognitive Impairment in Older Adults
PubMed PMID: 41296993
