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もやもや病の出産は帝王切開が必要?自然分娩との違いと脳卒中リスクを沖縄県那覇市の脳卒中専門医が解説
もやもや病のある方が妊娠すると、
「出産は帝王切開のほうが安全なのか?」と
不安になる方が多いのではないでしょうか。
もやもや病は、脳の血管が細くなり、
その代わりに細い血管が増える病気です。
血流が不安定になりやすく、
脳梗塞や脳出血の原因になることがあります。
そのため出産時の負担が、
脳に悪影響を与えないかが問題になります。
これまでは、
「もやもや病なら帝王切開が安全」と
考えられることもありました。
しかし最新の研究では、
その考え方が変わりつつあります。
今回の大規模研究では、
出産方法による脳卒中リスクに
大きな差はない可能性が示されました。
つまり、もやもや病があるからといって、
必ず帝王切開を選ぶ必要はないかもしれません。
【もやもや病と出産 なぜ分娩方法が重要?】
出産のときには、体に大きな変化が起こります。
陣痛の痛み、いきみ、血圧の変動、
呼吸の乱れなどが起こり、
脳の血流にも影響することがあります。
もやもや病では、もともと脳の血流が
不安定なため、これらの変化が
リスクになるのではと考えられてきました。
そのため、出産方法として、
経腟分娩よりも帝王切開のほうが
安全ではないかと考えられてきました。
しかし帝王切開も手術であり、
出血や血栓、回復の遅れなど、
別のリスクがあります。
一方、経腟分娩は回復が早いですが、
いきみなどの負担があります。
つまり、どちらにもメリットと注意点があり、
単純に優劣はつけられません。
【帝王切開と自然分娩 リスクに差はある?】
今回の研究では、もやもや病の女性1683人を対象に、
出産方法と脳卒中の関係が調べられました。
帝王切開は1077人、
経腟分娩は606人でした。
その結果、
産後3年までの脳卒中リスクは、
両者で大きな差はありませんでした。
脳梗塞、脳出血、一過性脳虚血発作でも、
明確な差はみられませんでした。
つまり、もやもや病があるからといって、
帝王切開が絶対に必要とは言えない
という結果です。
ただし重要なのは、
すべての人に当てはまるわけではないことです。
もやもや病でも、
・脳梗塞で発症した人
・脳出血で発症した人
・無症状で見つかった人
などで、状況は異なります。
研究でも、無症状の方では
経腟分娩のほうがリスクが低い傾向がありましたが、
他のタイプでは明確な差はありませんでした。
そのため、出産方法は
「もやもや病があるかどうか」ではなく、
病気の状態に合わせて決めることが重要です。
【本当に大切なのは産後 リスクが高い時期とは】
今回の研究で特に重要なのは、
脳卒中のリスクが高い時期です。
実は、最もリスクが高いのは、
出産の瞬間ではなく、
産後しばらくの期間でした。
産後180日以内に脳卒中の発症が多く、
その後は徐々に減っていきました。
この時期は、
疲労、睡眠不足、脱水、貧血、
血圧の変動などが重なります。
赤ちゃんのお世話で無理をしやすく、
体への負担が大きくなります。
そのため、以下の症状には注意が必要です。
・強い頭痛
・手足のしびれ
・ろれつが回らない
・言葉が出にくい
・片側の力が入らない
このような症状があれば、
すぐに医療機関を受診することが大切です。
また、妊娠前から産婦人科と脳神経内科で
しっかり連携し、出産計画を立てることも重要です。
【まとめ】
今回の研究から、
もやもや病のある方でも、
帝王切開と経腟分娩で、
脳卒中リスクに大きな差はない可能性が
示されました。
そのため、もやもや病だからといって、
一律に帝王切開を選ぶ必要はありません。
ただし、病気のタイプや状態によって、
最適な出産方法は異なります。
さらに重要なのは、
産後の時期にリスクが高いことです。
出産方法だけでなく、
産後の体調管理が非常に重要です。
妊娠・出産を考える際は、
専門医としっかり相談し、
自分に合った方法を選びましょう。
【当院からのお知らせ】
那覇市・浦添市・沖縄県で、
もやもや病、脳梗塞、脳出血、頭痛、しびれ、
脳卒中予防でお困りの方は、
シーサー通り内科リハビリクリニックへ
お気軽にご相談ください。
当院では、脳神経内科専門医が、
頭痛、しびれ、めまい、認知症、
生活習慣病、脳卒中予防まで
幅広く診療しています。
妊娠・出産に関わる脳の不安についても、
専門医として丁寧にサポートいたします。
【引用】
Kim JH, Song KH, Park MY, et al.
Mode of Birth and Stroke Risk After Childbirth Among Women With Moyamoya Disease.
JAMA Network Open. 2026;9(3):e263112.
