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指先の血で認知症が分かる?早期発見が予後を左右する最新研究を沖縄県那覇市・浦添市の認知症専門医が解説
【認知症は「早く気づく」ことがとても大切です】
認知症、とくにアルツハイマー病は、
ゆっくり進行する病気です。
初期には、
「年のせいかな」「疲れているだけかも」
と見過ごされやすい特徴があります。
しかし、近年の研究では、
早い段階で気づき、対応することが、
患者さんの予後を改善する可能性
が示されています。
予後とは、
その後の生活のしやすさや、
症状の進み方を含めた「将来の経過」のことです。
早期に対応することで、
・症状の進行をゆるやかにする
・生活習慣を整えやすくなる
・家族が準備する時間を確保できる
といった利点があります。
そのため、
「簡単に調べられる検査」への期待が高まっています。
【指先の血で何が分かるのか】
今回紹介する研究では、
指先から少量の血を取り、
紙にしみ込ませて乾かす方法が使われました。
この方法は、
注射器を使わず、
体への負担が少ないのが特徴です。
この血液から、
アルツハイマー病に関係する
たんぱく質の変化を調べます。
特に注目されたのが、
p-tau217という目印です。
これは、脳で病的な変化が起きると、
血液中で増えやすくなる物質です。
研究では、
指先の血で測った値と、
通常の採血で測った値が、
よく似た動きを示しました。
つまり、
簡単な方法でも、
早期の脳の変化を捉えられる可能性
が示されたのです。
【期待と限界:早期対応につなげるために】
この研究が示す最大の意義は、
早期に「気づくきっかけ」を
作れる可能性があることです。
早い段階で異変に気づけば、
薬物治療だけでなく、
運動、睡眠、食事、社会参加など、
生活全体を整える対応が可能になります。
こうした早期対応は、
日常生活の自立を保つ期間を延ばし、
結果として予後の改善につながる
可能性があります。
一方で、注意も必要です。
この検査は、
現時点では研究段階であり、
これだけで診断を確定するものではありません。
また、
採血の方法や血の量によって、
結果にばらつきが出ることもあります。
そのため、
血液検査はあくまで「補助的な情報」として使い、
医師の診察や認知機能評価と
組み合わせることが重要です。
【これから大切になる考え方】
認知症は、
「診断がついた時点で終わり」ではありません。
早期に気づき、早期に対応することが、
患者さん本人とご家族の将来を支えます。
物忘れに気づいた時点で相談することは、
決して早すぎることではありません。
「まだ軽いから様子を見る」よりも、
「今の状態を知る」ことが、
安心につながります。
【当院からのご案内】
シーサー通り内科リハビリクリニック(那覇市)では、
物忘れや脳の健康に関するご相談を行っています。
認知症は、
早期に対応することで、
その後の生活や予後が変わる可能性があります。
「少し気になる」という段階から、
どうぞお気軽にご相談ください。
引用文献
Huber H, Montoliu-Gaya L, Brum WS, et al.
A minimally invasive dried blood spot biomarker test for the detection of Alzheimer’s disease pathology.
Nature Medicine. 2026.
https://doi.org/10.1038/s41591-025-04080-0
