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脳神経内科頭痛

片頭痛の最新治療「抗CGRP抗体」は2年後も効く?効果が続く人の特徴とは

片頭痛の注射治療は2年後も効く?

抗CGRP抗体の長期効果をやさしく解説

片頭痛で悩んでいる方の中には、
「予防の注射は本当に長く効くの?」
と気になっている方も多いと思います。

最近は、片頭痛の新しい予防治療として
抗CGRP抗体という注射薬が広く使われるようになりました。

これは、片頭痛に関わる物質の働きを抑えて、
頭痛を起こりにくくする治療です。

実際に使っている方からは、
「かなり楽になった」という声がある一方で、
「効果はいつまで続くのか」
「続けたほうがいいのか」
といった疑問もよく聞かれます。

今回紹介する研究は、
この抗CGRP抗体が2年間たっても効果が続くのか
調べた大規模な観察研究です。

結論からいうと、
多くの患者さんで頭痛の日数がしっかり減り、
その効果が長く続くことが示されました。

【抗CGRP抗体とは?片頭痛の予防注射】

まず、抗CGRP抗体について
簡単に整理しておきます。

CGRPとは、片頭痛の発作に関係する
神経の伝達物質のひとつです。

片頭痛が起こるときには、
このCGRPが増えて、
痛みに関わる神経が刺激されやすくなると考えられています。

抗CGRP抗体は、
このCGRPの働きを抑えることで、
片頭痛そのものを起こりにくくする薬です。

痛み止めのように
「頭が痛くなってから飲む薬」ではなく、
頭痛を減らすための予防治療という点が特徴です。

片頭痛の治療では、
月に何回も頭痛がある方や、
日常生活に支障が大きい方では、
予防治療がとても重要になります。

ただ、新しい治療法であるぶん、
「数か月は効いても、1年後や2年後はどうなのか」
という点は、多くの方が知りたいところです。

【2年後も効果は続く?最新研究の結果】

この研究では、
ヨーロッパの多施設レジストリを使って、
抗CGRP抗体を使った片頭痛患者さんの
長期経過が調べられました。

24か月、つまり2年まで追跡できた方は
1,340でした。

この方たちは治療開始前、
1か月あたりの頭痛日数の中央値が
20でした。
かなり生活への影響が大きい状態です。

それが24か月後には、
60.4%の患者さんで
月の頭痛日数が半分以上減少
していました。

さらに、6か月、12か月、18か月、24か月の
複数の時点で安定して改善していた
「持続反応」を示した方も
**53.8%**にのぼりました。

つまり、単に一時的によくなっただけでなく、
長い期間にわたって効果が続いた方が多かった
ということです。

これは、片頭痛に悩む方にとって
とても心強い結果です。

「最初だけ効いて、その後はだめになるのでは」
という不安に対して、
実際の診療に近いデータで
前向きな結果が示されたからです。

もちろん全員に同じように効くわけではありません。
それでも、2年という長い期間で
効果が保たれた方が多いのは大きな意味があります。

【効果が続きやすい人・続きにくい人の特徴】

では、どんな方で治療が続きやすく、
どんな方で途中中止になりやすかったのでしょうか。

この研究では、
2年時点まで治療を続けられた群と、
効果不足で中止した群が比較されました。

その結果、中止した方では
治療開始前の頭痛日数がより多く、
病状が重い傾向がみられました。

また、前兆のある片頭痛
うつ病
肥満がある方では、
治療の継続が難しくなる傾向がありました。

前兆とは、頭痛の前に
ギザギザした光が見える、
視界が欠ける、
手足がしびれる、
といった症状のことです。

うつ病があると、
睡眠、意欲、痛みの感じ方などに影響し、
片頭痛の治療全体が難しくなることがあります。

肥満についても、
慢性的な炎症や生活習慣の影響が
片頭痛の持続に関わる可能性があります。

この結果から分かる大切な点は、
片頭痛治療は「注射だけで終わり」ではない
ということです。

頭痛そのものの治療に加えて、
睡眠、気分の落ち込み、体重管理、
生活リズムの調整まで含めてみていくことが、
長く安定した改善につながります。

つまり、薬の効果を十分に引き出すためには、
患者さん全体をみる視点が大切なのです。

まとめ

抗CGRP抗体は、
片頭痛の新しい予防注射として注目されています。

今回の研究では、
2年後の時点でも多くの患者さんで
頭痛日数の大きな減少が続いていました。

特に、月の頭痛日数が半分以上減った方が
6割を超えていたことは、
長期的な有効性を考えるうえで大きなポイントです。

一方で、前兆のある片頭痛、うつ病、肥満、
もともとの頭痛頻度の多さは、
治療継続に不利に働く可能性が示されました。

片頭痛は、我慢する病気ではありません。
つらい頭痛が続くときは、
早めに適切な予防治療を検討することが大切です。

当院からのお知らせ

那覇市・浦添市・沖縄県で片頭痛、慢性頭痛、頭痛予防治療、
抗CGRP抗体治療でお困りの方は、
シーサー通り内科リハビリクリニックへご相談ください。

当院では、頭痛専門医の立場から、
片頭痛の診断、予防治療、生活指導まで
総合的にサポートしています。

「市販薬が増えてきた」
「頭痛で仕事や家事に支障がある」
「注射治療が自分に合うのか知りたい」
という方も、どうぞお気軽にご相談ください。

引用

Caronna E, Mas-de-Les-Valls R, Egeo G, et al.
Long-Term Effectiveness and Persistence Factors of Anti-CGRP Monoclonal Antibodies in Migraine: 2-Year Results From the EUREkA Cohort.
Neurology. 2026 Feb 24;106(4):e214659.
doi:10.1212/WNL.0000000000214659