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脳神経内科認知症

もの忘れと脳萎縮|早期発見に役立つ脳の変化を沖縄県那覇市・浦添市の認知症専門医が解説

アルツハイマー病では脳萎縮が早まる?最新研究をわかりやすく解説

「年をとると脳は少しずつ萎縮する」と聞いたことがある方も多いと思います。
脳萎縮とは、脳の体積が少しずつ小さくなる変化のことです。

加齢による脳萎縮は誰にでも起こります。
しかし、アルツハイマー病では、この変化が通常より早く進む可能性があります。

2026年に発表された研究では、アルツハイマー病では健康な加齢と比べて、
脳萎縮が約12年早く進む可能性が示されました。

今回は、アルツハイマー病と脳萎縮の関係について、
一般の方にもわかりやすく解説します。

【アルツハイマー病と脳萎縮|脳の変化は静かに進む】

アルツハイマー病は、もの忘れだけの病気ではありません。
脳の中で、長い時間をかけて変化が進む病気です。

代表的な変化が、アミロイドβとタウというたんぱく質の蓄積です。
これらは、脳の神経細胞に悪影響を与えると考えられています。

アミロイドβは、比較的早い段階から脳にたまり始めます。
その後、タウの広がりが神経細胞の障害と関係してきます。

今回の研究では、アミロイドβの蓄積が、タウによる変性より
10年以上先に起こる可能性が示されています。

つまり、症状がはっきり出る前から、
脳の中では静かな変化が始まっている可能性があります。

【脳萎縮が早まる部位|側頭葉・海馬周辺が重要】

アルツハイマー病で特に注目されるのが、側頭葉の内側です。
ここには、記憶に深く関係する海馬や嗅内皮質があります。

嗅内皮質は、記憶の入り口のような役割を持つ場所です。
この周辺の萎縮は、もの忘れと関係しやすいと考えられています。

研究では、嗅内皮質、海馬の周辺、側頭葉などで、
脳萎縮の加速が目立つと報告されています。

また、脳の表面の厚みである「皮質厚」も重要です。
皮質厚とは、脳の表面にある神経細胞の層の厚さのことです。

アルツハイマー病では、この皮質厚が早く薄くなる可能性があります。
研究では、皮質厚や脳表面の変化が早期発見の手がかりになるとされています。

ただし、脳萎縮だけでアルツハイマー病と診断するわけではありません。
症状、診察、画像検査、血液検査などを総合して判断します。

【もの忘れの早期発見|脳萎縮をどう活かす?】

「最近もの忘れが増えた」と感じても、すべてが認知症ではありません。
睡眠不足、ストレス、うつ状態、薬の影響でも記憶力は低下します。

一方で、同じ話を何度もする、約束を忘れる、薬の管理が難しい、
料理や買い物の手順が混乱する場合は注意が必要です。

脳萎縮の評価は、もの忘れの原因を考えるうえで役立ちます。
CTやMRIでは、脳の萎縮や脳梗塞の跡などを確認できます。

特に、アルツハイマー病では、
「年齢相応か、それ以上に萎縮が進んでいるか」を見ることが大切です。

今回の研究は、コンピューターを使って脳の変化を長期的に予測したものです。
将来的には、早期診断や治療効果の判定に役立つ可能性があります。

ただし、現時点では「脳萎縮がある=必ず認知症」ではありません。
大切なのは、生活の変化や認知機能の変化と合わせて評価することです。

早めに気づけば、生活習慣病の管理、運動、睡眠、栄養、社会参加など、
できる対策を早く始めることができます。

認知症予防では、高血圧、糖尿病、脂質異常症、難聴、運動不足、
喫煙、睡眠障害などを見直すことも重要です。

まとめ

アルツハイマー病では、健康な加齢よりも脳萎縮が早く進む可能性があります。
今回の研究では、その差が約12年に相当する可能性が示されました。

特に、記憶に関係する側頭葉内側、嗅内皮質、海馬周辺は重要です。
これらの変化は、もの忘れの早期発見に役立つ可能性があります。

ただし、脳萎縮だけで診断はできません。
症状、診察、画像、生活背景を総合して判断することが大切です。

お知らせ

那覇市・浦添市・沖縄県で、もの忘れ、認知症、脳萎縮、
軽度認知障害が心配な方は、シーサー通り内科リハビリクリニックへご相談ください。

当院では、内科・脳神経内科・リハビリの視点から、
認知機能、生活習慣病、脳の画像評価、身体機能を総合的に確認します。

「年齢のせいかもしれない」と迷う段階でも、早めの相談が大切です。
ご本人だけでなく、ご家族からのご相談もお受けしています。

引用情報

Jalalian S, Weickenmeier J. Alzheimer’s Disease Accelerates Cerebral Atrophy by Over a Decade Compared to Healthy Aging.
Annals of Biomedical Engineering. 2026.
https://doi.org/10.1007/s10439-026-04059-z