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脳神経内科

子どものサッカーと脳への影響は?ヘディングの安全性を最新研究から那覇市の脳神経内科専門医が解説

「子どもがサッカーを続けても大丈夫でしょうか」

「ヘディングを何度もすると脳に悪影響がありますか」

サッカーをするお子さんの保護者から、このような心配を聞くことがあります。

サッカーは体力、協調性、判断力を育てる素晴らしいスポーツです。
一方、ボールや選手同士の接触による頭部への衝撃には注意が必要です。

2026年にJAMA Network Openへ掲載された研究では、10代の男子サッカー選手と
非接触スポーツの選手を1シーズンにわたり比較しました。

その結果、認知機能、行動、バランス能力、脳画像の主な評価項目では、
サッカー選手に明らかな短期的悪化は確認されませんでした。

ただし、この結果だけで「ヘディングは完全に安全」と判断することはできません。
研究の内容と、家庭や指導現場で注意すべきポイントを分かりやすく解説します。

【子どものサッカーと脳|1シーズンの追跡研究で分かったこと】

研究には、14~16歳の男子アスリート129人が参加しました。
内訳はサッカー選手82人、非接触スポーツの選手47人です。

非接触スポーツには、水泳、陸上競技、自転車競技、ラケット競技などが
含まれ、両グループとも週3回以上のトレーニングを行っていました。

参加者はシーズン開始前、シーズン終了後、その約2か月後の3回にわたり、
記憶力、判断力、行動、バランス能力などの検査を受けました。

さらにMRIを使って、脳の体積、皮質の厚さ、白質と呼ばれる神経の通り道、
脳内ネットワークのつながりなども詳しく調べています。

その結果、1シーズンの前後で、認知機能、行動、バランス能力、脳の体積、
白質の状態に、両グループ間の明らかな差は認められませんでした。

サッカー選手は1シーズンに平均939回のヘディングを自己申告していましたが、
ヘディング回数と各検査の変化にも明確な関連はみられませんでした。

この研究からは、通常のユースサッカーを1シーズン行ったことで、
測定できる大きな短期的変化は確認されなかったと考えられます。

【サッカーのヘディング|「異常なし」でも油断できない理由】

研究では主な検査に明らかな差がなかった一方、シーズン開始前の時点で、
サッカー選手は一部の血液指標が高いという結果もみられました。

具体的には、NfLとGFAPという、神経細胞や脳を支える細胞の反応に関連する
血液バイオマーカーが、非接触スポーツ選手より高い傾向にありました。

バイオマーカーとは、血液などを用いて体内の変化を推測する目印です。
ただし、数値が高いだけで脳障害があると診断されるわけではありません。

今回の数値は年齢相応の正常範囲内であり、運動直後の一時的な反応、
これまでの競技歴、トレーニングの違いなどが影響した可能性があります。

また、ヘディング回数は選手本人の記憶をもとにした自己申告でした。
実際の衝撃の強さや、正確な回数を十分に測定できていない可能性があります。

研究対象は男子のみで、過去に医師から脳震盪と診断された選手は除外されました。
女性選手や年少の子どもに、同じ結果が当てはまるとは限りません。

さらに、調査期間は1シーズンです。数年間にわたって繰り返される衝撃や、
長期的な脳への影響については、この研究だけでは判断できません。

したがって、今回の結果は「短期的な明らかな異常は検出されなかった」であり、
「ヘディングは何回しても安全」という意味ではありません。

【脳震盪と受診の目安|子どものサッカーで注意する症状】

サッカーでは、ヘディングだけでなく、選手同士の接触、転倒、ゴールポストへの
衝突などによって脳震盪が起こることがあります。

脳震盪とは、頭に衝撃を受けた後、一時的に脳の働きが乱れる状態です。
意識を失わなくても、脳震盪を起こしている場合があります。

頭痛、吐き気、めまい、ふらつき、ぼんやりする、集中しにくい、
記憶が抜ける、光や音をつらく感じるなどは注意が必要な症状です。

頭を打った後に様子がおかしい場合は、その日の練習や試合を中止してください。
「少し休めば戻れる」と自己判断して、同日に復帰させてはいけません。

繰り返し吐く、強い頭痛が悪化する、けいれん、手足の麻痺、反応が鈍い、
強い眠気、会話がおかしい場合は、速やかな救急受診が必要です。

症状が軽く見えても、学校生活や運動への復帰は段階的に進めます。
十分に回復する前に再び頭部へ衝撃を受けることは避けなければなりません。

安全対策として、年齢に応じたヘディング回数の管理、正しい技術指導、
体格差への配慮、脳震盪に関する選手・保護者・指導者の教育が重要です。

【子どものサッカーとヘディングのQ&A】

Q.子どもにサッカーをやめさせた方がよいですか?

A.今回の研究では、1シーズンで明らかな認知機能や脳画像の悪化は
確認されませんでした。適切な安全管理のもとで楽しむことが大切です。

Q.ヘディングをすると必ず脳が傷つきますか?

A.1回の軽いヘディングで必ず障害が起こるわけではありません。
ただし、衝撃の強さ、回数、年齢、体格などに配慮する必要があります。

Q.意識を失わなければ脳震盪ではありませんか?

A.意識を失わなくても脳震盪は起こります。頭痛、めまい、吐き気、
ぼんやりするなどの症状があれば、競技を中止して評価を受けましょう。

Q.頭を打った後、いつサッカーに戻れますか?

A.症状がなくなった後も、軽い運動から段階的に負荷を上げます。
復帰時期は自己判断せず、医療機関と相談することが望ましいです。

Q.CTやMRIを撮れば脳震盪が分かりますか?

A.脳震盪では、通常のCTやMRIに異常が出ないことも多くあります。
症状、受傷状況、神経学的診察を組み合わせて判断します。

【那覇市・浦添市で頭部打撲や脳震盪が心配な方へ】

シーサー通り内科リハビリクリニックでは、脳神経内科専門医が、
頭部打撲後の頭痛、めまい、ふらつき、しびれなどを評価します。

院内での神経学的診察に加え、必要に応じて頭部CTなどを用いて、
出血や骨折など緊急性の高い病気がないか確認します。

また、症状が続く場合には、日常生活、学校生活、運動への復帰について、
リハビリテーションの視点も含めて対応します。

那覇市・浦添市・沖縄県で、子どものサッカー中の頭部打撲、脳震盪、
頭痛、めまい、スポーツ復帰についてお困りの方は、当院へご相談ください。

参考文献・引用情報

Koerte IK, Wiegand TLT, Bonke EM, et al.
Youth Soccer Participation and Brain Health Outcomes in Adolescent Athletes.
JAMA Network Open. 2026;9(6):e2619569.
https://doi.org/10.1001/jamanetworkopen.2026.19569

Mackay DF, Russell ER, Stewart K, et al.
Neurodegenerative Disease Mortality Among Former Professional Soccer Players.
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https://doi.org/10.1056/NEJMoa1908483

Koerte IK, Bahr R, Filipcik P, et al.
REPIMPACT: A Prospective Longitudinal Multisite Study on the Effects of
Repetitive Head Impacts in Youth Soccer.
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https://doi.org/10.1007/s11682-021-00484-x