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リハビリテーション科

座りすぎ対策は「1時間ごとに5分歩く」?最新研究が示した疲労・気分への効果

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「座りっぱなしは体に悪い」と聞いても、仕事や勉強に集中していると、気づけば何時間も座ったままという方は少なくありません。

では、どのくらいの頻度で立ち上がり、どの程度動けばよいのでしょうか。2026年の大規模研究から、実践しやすい方法が見えてきました。

British Journal of Sports Medicineに掲載された研究では、成人1万9342人を対象にしました。5分間の歩行休憩を30分・60分・120分ごとに比較しています。

日常生活の中で2週間取り組んだ結果、どの頻度でも疲労感や気分に良い変化がみられ、特に「60分ごと」が実行しやすさとのバランスに優れていました。

【座りすぎが健康に与える影響と「5分歩く」意味】

座位行動とは、起きている時間に座る、横になるなど、ほとんどエネルギーを使わない状態です。現代では仕事やスマートフォンで座る時間が増えています。

長い座位時間は、糖尿病や心血管疾患などの慢性疾患、心の健康、死亡リスクとの関連が指摘され、座り続ける時間そのものにも注意が必要です。

座りっぱなしでは脚の筋肉を使う機会が減り、血流や糖・脂質の代謝に関わる働きも低下します。そこで注目されるのが短い「運動休憩」です。

今回の研究では、参加者が快適な速さで5分間歩きました。30分、60分、120分のいずれかの間隔を本人が選び、2週間続ける実生活型の研究です。

【1時間ごとに5分歩くと疲労・気分はどう変わる?】

研究では、30分ごと、60分ごと、120分ごとの全グループで、疲労感とネガティブな気分が低下し、前向きな気分が改善しました。

効果は休憩が頻繁なほど強い傾向があり、30分ごとと60分ごとでは、疲労感と前向きな気分に、本人が実感できる程度の改善が確認されました。

ただし、30分ごとに5分歩く方法は効果が大きい一方で、実生活では続けにくい面もあります。会議や接客、診療中などは頻回の離席が難しいためです。

予定頻度の75%以上を達成した割合は、30分群10.1%、60分群23.7%、120分群46.0%で、休憩回数が多いほど継続は難しくなりました。

実際の1日平均休憩回数は30分群5.5回、60分群4.1回、120分群2.8回でした。理想どおりでなくても、日常生活の中でできる範囲の実践が行われています。

120分ごとは最も実行しやすい反面、疲労や気分への効果は3群の中で小さめでした。研究者らは、60分ごとが効果と実行性のバランスに優れると結論づけています。

「休憩すると仕事が遅れるのでは」と心配する方もいるでしょう。研究では、歩行休憩によって仕事への取り組みや自己評価した生産性が悪化する結果はありませんでした。

むしろ仕事への活力やパフォーマンスには小さな改善がみられました。ただし変化は大きくなく、「5分歩けば仕事の能率が上がる」と断言できる結果ではありません。

【座りすぎ対策は「1時間に1回」を目標に無理なく続ける】

実践するなら、まず「1時間座ったら5分ほど歩く」を目安にすると分かりやすいでしょう。トイレや給水、廊下を歩くなど、特別な運動でなくても構いません。

5分間まとまって歩けない日も、完璧を目指す必要はありません。研究でも予定回数を十分守れない参加者が多い中で、疲労感や気分の改善がみられました。

スマートウォッチやスマートフォンで60分ごとに通知する方法も便利です。可能であれば、立つだけでなく少し歩き、下肢の筋肉を動かすことを意識しましょう。

ただし、この研究は2週間の非ランダム化研究で、評価の多くは参加者自身の回答です。血糖値や血圧、脳卒中や心筋梗塞が減るかを直接調べたものではありません。

参加者は女性や高学歴層が多く、長期的に同じ効果が続くかも不明です。「1時間ごとに5分歩けば病気を予防できる」と言い切るのは適切ではありません。

運動習慣がない方こそ、最初から長時間の運動を始めるより、「座りっぱなしを1時間で一度切る」という小さな行動から始めるのも良い方法です。

【よくある質問 Q&A】

Q1.立っているだけでも座りすぎ対策になりますか?

立つことは座位を中断する一歩ですが、今回の研究で評価されたのは「5分間の歩行」です。可能であれば、立つだけでなく短時間でも歩くことを意識しましょう。

Q2.30分ごとに歩いた方が、1時間ごとより良いのでしょうか?

30分ごとの方が疲労や気分の改善は大きい傾向でしたが、続けにくさも目立ちました。まず60分ごとを目標にし、可能な場面ではよりこまめに動く方法が現実的です。

Q3.運動している人も、座りっぱなしを避けた方がよいですか?

定期的な運動は大切ですが、長時間の連続した座位を減らすことも別の視点として重要です。運動時間を確保しつつ、日中の座りっぱなしもこまめに中断しましょう。

【当院からのご案内】

シーサー通り内科リハビリクリニックでは、生活習慣病や動脈硬化の予防・管理に加え、脳卒中予防、運動療法、リハビリテーションまで総合的にご相談いただけます。

「運動した方がよいのは分かるけれど、何から始めればよいか分からない」という方には、年齢、体力、持病などに合わせ、無理なく続けられる活動方法をご提案します。

※胸痛、強い息切れ、めまい、歩行時の強い痛みなどがある方は、自己判断で運動量を増やさず、医療機関へご相談ください。

引用・参考情報

1. Diaz KM, Murdock ME, Serafini MA, et al. Evaluating movement breaks as a public health strategy to mitigate the harms of prolonged sitting: a large-scale pragmatic intervention. Br J Sports Med. 2026. doi:10.1136/bjsports-2025-111221
https://doi.org/10.1136/bjsports-2025-111221

2. WHO Guidelines on Physical Activity and Sedentary Behaviour. 2020.
https://www.who.int/publications/i/item/9789240015128