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脳卒中脳神経内科

心房細動で血液サラサラ薬は2種類必要?高齢者の最新研究からわかる本当の答え

記事本文

心房細動(しんぼうさいどう)は、
脈がバラバラになる不整脈のひとつです。

高齢になるほど増え、
脳梗塞の原因になることが知られています。

そのため、多くの患者さんで
「血液をサラサラにする薬」が使われます。

しかし、ここでよくある疑問があります。

「薬は1種類でいいの?」
「2種類飲んだ方が安心なの?」

今回は、この疑問に答える
最新の日本の研究結果をもとに、
わかりやすく解説します。

【心房細動の治療 血液サラサラ薬の基本】

心房細動では、心臓の中で血液がよどみ、
血のかたまり(血栓)ができやすくなります。

この血栓が脳に飛ぶと、
脳梗塞を起こしてしまいます。

それを防ぐのが、
**抗凝固薬(こうぎょうこやく)**です。

これは、血液の固まりやすさを抑える薬で、
脳梗塞予防の中心となる治療です。

一方で、似たような薬に
**抗血小板薬(こうけっしょうばんやく)**があります。

こちらは血小板という成分の働きを抑え、
主に心筋梗塞などを予防する薬です。

つまり、この2つは
似ているようで役割が違います。

それでも実際の医療現場では、
両方を一緒に使うこともあります。

では、本当にそれが良いのでしょうか。

【最新研究の結果 薬を増やしても効果は上がらない?】

日本の大規模研究では、
75歳以上の心房細動患者さん約3万人が調べられました。

そのうち一部の方は、
抗凝固薬に加えて抗血小板薬も使っていました。

結果はとても重要です。

まず、脳梗塞の発症率は、
1種類でも2種類でもほとんど変わりませんでした。

さらに、出血のリスクについても、
大きな差は見られませんでした。

ここまでは「どちらでもいい」と
思うかもしれません。

しかし問題は別のところにありました。

2種類使っていた人の方が、心臓の病気で亡くなる割合が高かったのです。

つまり、薬を増やしても
明らかなメリットはなく、

むしろ体への負担が
増えている可能性が示されました。

この結果から、
「とりあえず薬を追加する」という考えは、
見直す必要があります。

【なぜ危険?高齢者で特に注意すべきポイント】

高齢者では、若い人と比べて

・腎臓の働きが低下する
・転倒しやすい
・飲んでいる薬が多い

といった特徴があります。

そのため、血液サラサラ薬を増やすと、
思わぬ出血につながることがあります。

特に怖いのが、
**脳出血(頭の中の出血)**です。

また、今回の研究では、
もともと心臓や血管の病気が多い人ほど、

2種類の薬を使っている傾向がありました。

つまり、薬の影響だけでなく、
患者さんの状態そのものが重い可能性もあります。

それでも、
「必要ないのに薬を増やす」ことは、
避けるべきと考えられます。

【薬の選び方 DOACとワルファリンの違い】

さらに今回の研究では、
薬の種類による違いも検討されています。

抗凝固薬には、

・DOAC(新しい薬)
・ワルファリン(従来の薬)

があります。

結果として、DOACの方が

・脳梗塞が少ない
・脳出血が少ない
・死亡率が低い

という傾向が見られました。

DOACは、
効果が安定しやすく、
出血リスクも比較的低い薬です。

ただし、すべての人に適しているわけではなく、

・腎機能
・体重
・他の病気

などを考慮して選ぶ必要があります。

【まとめ 大切なのは“ちょうどいい治療”】【

心房細動の治療では、

「薬を増やせば安心」ではありません。

今回の研究から、

・抗凝固薬+抗血小板薬は原則不要
・むしろリスクが増える可能性あり
・DOACは有力な選択肢

であることが示されました。

大切なのは、

その人にとって必要な薬を、必要な分だけ使うことです。

薬を減らすことも、
重要な治療のひとつです。

不安な場合は、自己判断せず、
医師と一緒に見直していきましょう。

当院からのお知らせ

那覇市・浦添市・沖縄県で、

・心房細動と言われた
・血液サラサラ薬を飲んでいる
・薬の数が増えて不安

といったお悩みがある方は、

シーサー通り内科リハビリクリニックへご相談ください。

内科・脳神経内科専門医が、
脳梗塞予防と出血リスクのバランスを考え、

患者さん一人ひとりに合った治療をご提案します。

引用・参考文献

  • Kamogawa N, et al. Impact of Combined Anticoagulant and Antiplatelet Therapy in Older Patients With Atrial Fibrillation: ANAFIE Subanalysis. Journal of the American Heart Association. 2026;15:e047724. DOI: 10.1161/JAHA.125.047724